『戦略読書』定点観測 - 2017年12月
はじめに
もう年度末ですが、2017年12月の戦略読書を振り返って、2017年を締めておきたいと思います。
こちらは戦略読書の投稿では毎回出している読書ポートフォリオ・マトリクス(Reading Portfolio Matrix, RPM)。
定点観測
以下はRPMに基づく分類別読んだ本と一言メモです。
鍛錬基礎
なし
鍛錬応用
これくらいシンプルに最適解を選択するスキルが整理されているとすぐに実行に移せそう。まずは目の前の小さな事例で試してみようと思う。
とりあえず部分的に試してみてもいいかも。ただ、感じ方は人によって異なると思うけど、全体に漂うちょっと上からの視点は、doksyo-tek的にはあまり好みでなかったかも。あと、最後の電子版おまけも、個人的には不要でした。
世界にはたくさんの見てみたい場所があるもんだ。ということを改めて実感。何ヵ所かそこそこお手軽に行ける場所もあり、次の旅行先の候補地としてストック!
趣味基礎
本当に阿久悠が原作なのか。三億円事件がモチーフになっているのに途中で気付き楽しみに読み進めたが、うーん、なんかエンディングまで含めて、自分の好みではなかったかな。まぁ、こういう感じの話があってもいいけど。
カメラに向き合う少女がとてもよかった。次のフレーズが写真の要諦なのかもしれない。
今は冴えない この現在も
不滅の光に照らされて フィルムの中に しっかりと記録され
いつしか時が来て 記憶がよみがえった時
僕達の心からの 羨望の的となる
Prime Readingで読了。読みやすい推理小説。倒叙形式で福家警部補が犯人を論理的に追い詰めていくくだりは痛快。犯人も完全な悪ではなく、微妙な思いをこじらせた末の犯行である点もなかなかいい。
趣味応用
不慣れな哲学もマンガならなんとか。
p93
もしかしたら死は人間にとって最高に素晴らしい出来事かもしれないのにまるでそれが史上最悪な出来事だと決めつけて恐れている
知らない事を知っていると思い込む事こそ 人間として最も恥ずべき無知なのではないでしょうか。
もしも私が・・・ 他の人よりも優れていたり賢いというのなら・・・
"無知の知"とでも言いましょうか
それは 私が死後の世界について「知らないという事を自覚」しているからなのでしょう
分析
12月はAmazonのPrime Readingを活用した月になりました。読了の9冊中、実に7冊がPrime Reading。新しいサービスにそれなりに触れてみた感があります。
主にここで気になっていた本から読みました。
Prime Readingについては、当時の記事でこう書いています。
選択の基準はいろいろかと思いますが、個人的には、Prime Readingかなと思っています。月額料金で読み放題というより、Prime Readingを使って好きな作家を発掘したり、手に取ることのなさそうなジャンルの本を読んでみたりして、購入前の目利きがしたい。そんな意味合いを持って接したいサービスだなと思っています。
そうそう。今回も、普段であれば選ばないコミック、選ばない小説、選ばないビジネス書を読んでみました。いきなりお金をかけるよりも、お手軽な感じがとても気に入っています。
今月のRPMグラフはこちら。積み上げ縦棒が冊数(色は形態)、折れ線グラフが読書時間です。
累積はこちら。このグラフが、2017年の読書を物語るグラフになるわけですが、、、反省点がかなりありそうな形になってます。。ま、その振り返りは別の記事でしたいと思います。
次に読む本
今月は次の本を選んでみました。選び方は、2017年1月のブログをご参照ください。
以下、「次に読む本」ストックリストです。ついに10冊になってしまった。。
- 『卵子探しています: 世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』
- 『ローワンと魔法の地図 (リンの谷のローワン 1)』
- 『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』
- 『君の膵臓をたべたい 』
- 『少年Hと少年A』
- 『脱出老人: フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち』
- 『楽園のつくりかた』
- 『美しい世界の傑作ミュージアム 何度でも行きたい素敵な博物館、美術館』
- 『創作の極意と掟』
- 『後悔病棟』
参考
- 戦略的に読書をするためにやったこと2016
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年1月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年2月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年3月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年4月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年5月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年6月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年7月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年8月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年9月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年10月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年11月
アレクサ、本を読んで
はじめに
先日公開されたAlexaによるKindle本の読み上げ。いかほどのものなのか、せっかくなので、試してみました。
本来であれば、読み上げの精度を定量的に測るものなのでしょうが、一般的な音声合成の評価手法やツール類を知らないので、今回はあくまで、どうやってKindle本を読み上げるのか、読み上げた声はどんな感じか、というところにフォーカスしてまとめてみたいと思います。
準備
1. Alexa端末の準備
Alexa端末とは、AIスピーカーのEchoのことのようです。Alexa自体はAmazonの音声認識技術を指すので、将来的には他の端末が出てくるかもしれません。doksyo-tekはEcho dotを購入したので、今回はEcho dotを用います。EchoやEcho dotの説明は、、、他に説明ページがたくさんあるので割愛します(^^;
2. Alexaアプリの準備
Alexaアプリとは、Alexa端末を操作するためスマートフォン等にインストールする操作用のアプリを指します。PCブラウザからも操作できるようです。 ちなみに、doksyo-tekはAndroid端末を使用しているので、Android版をインストールしました。
3. Kindle本の準備
いわゆるKindleで読める本のことです。対象となるのは、以下の3種類だそうです。
青空から作った本とか、パーソナル・ドキュメントは対象外みたいです。
いざ再生
チュートリアルには以下のようにあります。
読み上げを開始するには、「アレクサ、本を読んで」または「アレクサ、『(タイトル)』を読んで」と話しかけます。
確かにこれで読み上げが開始されます。「アレクサ、本を読んで」はKindle本リストの一番最新の本(一番最近読んでいた本)が再生されます。「アレクサ、『(タイトル)』を読んで」は、Alexaアプリで、ホーム→ミュージック&本→Kindle→Kindle本プルダウン→〇〇さんのEcho Dot、のリストにある本のタイトルを言うと再生されます。
で、肝心の。実際の再生は以下のような感じになります。光文社古典新訳文庫・ヘミングウェイ『老人と海』の冒頭です。
Alexaの音声データ
ちなみに、Google翻訳って入力文/翻訳文を読み上げてくれるので、まったく同じ文章を入れてみました。
Google翻訳の音声データ
当初、Alexaを聞くと、うーん、なかなかがんばってるのはわかるけど、もう一声かなぁ等、上から目線で聞いてしまいましたが、Google翻訳の読み上げと比較すると、これはだいぶいいことがわかります。
まぁ、それぞれ目的が違うし、聞いた感じをdoksyo-tekが主観的にAlexaのほうがいい!って思ったに過ぎない話なので、なんとも言えないところはありますが。
ちなみに、声による操作もできますが、もちろんAlexaアプリを使ってもっと細かな操作も可能です。
さすがAmazonさん、音声フィードバック(音声の品質確認)も怠りません。
感想
Echoが出た当初、Alexaの日本語読み上げは未対応でした。それからすぐに日本語対応したので、すごいスピードだなぁと思いつつも、突貫過ぎて、読み上げ精度はいまいちなのでは?と思っていたのも事実です。
しかしながら、聞いてみて驚きました。もちろん改良の余地はあると思いますが、十分にコンテンツを楽しむことができるレベルにあると思いました。
Amazonには「音声による読書」としてAudibleというサービスがあります。このサービスを試したときのことは、聴く読書にまとめてあります。
この時は、電車通勤での利用が主だったせいか、なかなか聴くことに集中できず、自分の利用に合わないとして、結局解約してしまいました。しかし、改めて、AIスピーカーのように室内に置かれるデバイスを用いれば、「音声による読書」も楽しめるのではないかと思い直しています。
例えば、料理中。カウンターで両手をふさがれて作業をしている間、音楽を聴くのもいいですが、ラジオ感覚でお気に入りの小説を聴くのもありだと思います。あるいは寝る前。部屋を暗くして、読書代わりに、音声読書を楽しみながらリラックスした時間を過ごすのは楽しそうです。
今回、ほんのさわりですが、AlexaによるKindle本の読み上げを試し、生活の中に「音声による読書」があるなぁと感じられたのは大きな収穫でした(まぁスマホの朗読アプリでもいいわけですが)。
ということで、せっかくなので、今度は1冊通してAlexaによるKindle本読み上げを楽しみたいと思います。
おまけ
今回のお試しに使った本。名著を読んで、読み上げて、繰り返し楽しむのもありかもしれません。
感情分析の応用
はじめに
今回の投稿は以下の記事を参考にしています。原文も併せて参考にしていただければと思います。
感情分析の応用
さて、世の中には電子書籍分析サービスを行う会社があります。例えば、Jellybook社は、電子書籍分析のスタートアップ企業のひとつだそうです。
電子書籍分析とは、どのページが最も人気があるか、ユーザが読むのをやめたり、あるいはどれくらい放置したか等、その使用状況を整理して出版社にレポートするサービスです。
今、電子書籍分析の世界では「読者が本についてどのように感じているか」、つまり、本についてどのような感情を持っているか、を把握することがホットトピックとなっています。いわゆる読者アンケートなどでは表出しない、本音を知りたいということです。
本に対する感情を知る方法のひとつとして、感情分析(Sentiment analysis)という技術があります。
Wikipediaによると、感情分析とは「自然言語処理、文章分析、バイオメトリクス等を用い、情動状態や主観的情報を特定、抽出、定量化する研究全般」を指します。テキストや画像、動画から感情的な部分を特定するための感情分析ソフトがあり、たとえば、Facebookは定期的に感情分析ソフトを用いてユーザをフィルタリングしています。
IHE(INSIDE HIGHER ED)のレポートによれば、生徒たちの顔をカメラで撮影し、飽きている・懸念している・混乱している・無関心であるといった感情を検出、インストラクター(先生でしょうか)が能動的に教室を活性化するよう働きかける、という実験があるようです。
このような試みを、読書に活かしてはどうか。スマホやタブレットで読書している間、例えば数秒刻みで顔写真を撮り、それを解析することで、どのシーンで最も気持ちが盛り上がったか、等を特定できるようになる可能性があります。
元ネタの記事では、この可能性について、”Yes, that is creepy”、つまり、キモイ!、と全否定しています。そりゃそうですよね。だって、純粋に読書を楽しんでいる時の顔写真を何枚も撮られ、今あなたこう思ったでしょ? と分析されたら、誰でもいい気分はしないと思います。
考察
この技術、読書中の人の分析ではなく、本の表紙を見た時の感じ方に応用できないかなと思いました。
ハードカバーの装丁でも、文庫本の装丁でも、もっと言うと電子書店の書影でも、表紙は本を選ぶのに重要な要素だと思います(本のジャケ買いもあるくらい)。
そのため、まず表紙を見た時の表情をカメラでとらえて感情を分析し、「こういう絵柄の時はこういう感情を持つ人が多い」というデータをディープラーニングで学習していくと、人が心地よく感じる表紙、人が怖いと感じる表紙、人が・・・な表紙、等、いろいろな表紙が作れると思うのです。GANとか使って(素人発言^^;)
将来的には、今このタイミングで表紙を見せるならこんな感じがいい、とかそういうチューニングもできちゃうかもしれません(統一感がなくなるからダメかな)。
表紙生成の話はおもしろそうですが、読書は非常に個人的な体験。そこを分析することの難しさを感じさせてくれる記事でした。
参考
やっぱりこの本ですよね!
ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム
- 作者: ジョディ・アーチャー,マシュー・ジョッカーズ,西内啓,川添節子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/03/23
- メディア: 単行本
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こっちは読んでないですが、実践的で目次トピックが気に入ったのでご紹介。
Chainerで作るコンテンツ自動生成AIプログラミング入門
- 作者: 坂本俊之
- 出版社/メーカー: シーアンドアール研究所
- 発売日: 2017/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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AI全般はこちら。かなりわかりやすいし、Kindle本だとたまにセールで安く買えます。
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの (角川EPUB選書)
- 作者: 松尾豊
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/中経出版
- 発売日: 2015/03/11
- メディア: 単行本
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書評『ハーバード・ビジネス・レビュー2017年5月号』
はじめに
ハーバード・ビジネス・レビューの2017年5月号特集は「知性を問う」。人間は人工知能とどう接していくべきなのか、問題提起となるとても良い特集記事でした。
その中で、朝井リョウさんのインタビュー「小説は何者が生み出すのか」がとても面白かったので、紹介してみたいと思います。
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 5 月号 [雑誌] (知性を問う)
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/04/10
- メディア: 雑誌
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概要
朝井さんのインタビューには「作家の創造性の原点を探る」という副題がついており、小説を創造するという点において、人間(作家)とAIの違いを軸に話が進められていきます。
王道のパターンと作家性
インタビューでとても納得したのは、次の3点です。
その1
AIでもいわゆる王道のストーリー展開(doksyo-tekは寅さんや水戸黄門、ドラえもんのような長生きをしているコンテンツを想起しました)は作ることができるが、作家が文章に込める「発見」や「気づき」(こういう作家の世界観が顕著にあらわれるのはエッセイだそうです)は最もAIから遠いところにあるものだ、という部分。
p50
弱い者が強い者をあっと言わせる、というようなゴールを定められる作品であれば、その出口に行きつくまでのプロットはAIに任せられるような気がします。
p51
こうした「パターン」「プロット」「あらすじ」を出すことは、AIのほうが得意なのではないでしょうか。
その2
作家は、AI(≒AIの文章生成技術)と創作の仕事を奪い合うのではなく、例えばAIは様々なシーンを生成し、作家はそれらを自分の世界観に基づいて選択的に活用する、といった住み分けが可能だという部分。
p51
小説の世界において、AIと人間は、けっしてバーサスの関係ではありません。
~略~
むしろ、時間的な制限で諦めてきた選択肢を吟味することができるようになるのではないかと、僕はプラスにとらえています。
その3
決定的なのは創作をする意思があるか否かという点。人間には意思があり、AIには意思がない。
p57
本を書く一番の動機か、作者の意志にある。いまのところ、人間とAIの間にある決定的な差は、その意志なのではないかと思っています。
朝井さんは「機械音痴でテクノロジーはよくわかりません」というスタンスを示していますが、人工知能の現状をとてもよく理解しており、かつ、どう利用するのがもっとも効果的か、さらにAIは意思を持たないという点で決定的に人間と異なるという本質も見抜かれていると思いました。
所感
朝井さんのインタビューから見えてきた「作家の創造性」。これは小説家に限らず、日々クリエイティブに暮らしている我々人間(クリエイティブ、とはデザイナーとかそういう方々を指しているわけではありません。日々、料理を作ったり、趣味に興じたり、週末どう過ごそうかと考えたり、そのような所作ひとつひとつがクリエイティブなのです)にも十分当てはまることだと思います。
最近だと、AIに仕事を奪われてしまうという文脈の話をよく見聞きしますが、それよりもむしろ、AIと人間の違い(意思のありなし)を考慮して、どう使えば仕事や活動が楽しくなるかを考える方がいいのだと思います。
参考
ということで、朝井リョウさんのテクノロジーについて考える本。
インタビュー中にも出てくる以下の本も読みたいです。
書評『人生がときめく片づけの魔法』
はじめに
「何を捨てるか」ではなく「どんなモノに囲まれて生きたいのか」をコンセプトに片付けをする。著者の近藤麻理恵さんは米TIME誌で「世界で最も影響力のある100人」に選出され(2015年春)、その著作は世界で700万部も売れています。それが今回選んだ『人生がときめく片づけの魔法』です。
- 作者: 近藤麻理恵
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2010/12/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大ベストセラーなので、実際に読まれた方や、ネットのまとめ記事等を見られた方も多くいると思います。なので魔法の片付けそのものについては、本書で確認していただくとして、今回は「本の片付け方」のみに着目してまとめてみようと思います。
ときめくか否か
本書のコンセプトは「何を捨てるか」ではなく「どんなモノに囲まれて生きたいのか」。そして、囲まれるモノを選ぶ基準がときめくか否かという観点になっています。ときめく、とはその名の通り、うきうきと楽しい気持ちになることを指しています。
本の片付け方
基本的には3ステップのみです。
- すべての本を棚から出す
- すべての本を大雑把に分類して床に並べる
- ときめくか否かを判定基準に、残す本と捨てる本を選別する
1は特筆すべき点は特にありません。ただ出すだけ。出した本を並べられるように床を掃除しておく必要はあるかもしれません。
2について、本書では参考として、一般書籍(読みもの)、実用書(参考書・レシピ本など)、観賞用(写真集など)、雑誌、の4分類が示されていました。ここは各人が既に所有の本の種類によって大きく偏る部分かと思います。ちなみにdoksyo-tekの場合、上述に「専門書」項目が加わり、5分類くらいが大雑把な分類になりそうだなぁと感じました。
- 一般書籍(読みもの)
- 実用書(参考書・レシピ本など)
- 観賞用(写真集など)
- 雑誌
- 専門書
3では、2で分類した本を1冊ずつ手に取り、残すか捨てるか判定していきます。ここで1冊ずつ手に取る行為を通じて、ときめくか否かをチェックしていくわけです。注意として、読書状態(対象とする本の状態。未読/読みかけ/読了)は気にしないようです。あくまでその本と向き合ってときめくか。難しい問いですが、ときめいていない本は未読(あるいは読みかけ)であっても、今は手元になくてもいい(≒時期じゃない、捨てても良い)と考えるようです。
さらに、ときめきの度合いによってもどう判定するか記述がありました。以下はときめき度合いにおける判定の分類です。
殿堂入り本
- 別格。いつまでも残しておきたい本。
心がときめく本
- 今は絶対手元に残しておきたい本。殿堂入りとの違いは、仕事が変わったとか、興味が変わったとか、節目で処分してもよい点。
ときめき度合がそこそこのレベルの本
- 1度読んで面白かった、心に響いた言葉が数か所ある、くらいの本。これらの本は、思い切ってカサ減らし(必要な箇所のみ残して、他は破いて捨てる)をする。更に、残したページも一定期間再利用されなければ捨てる。
所感
Wikipediaによれば『ハリー・ポッターと賢者の石』(日本語版)は約500万部発行されています。
『人生がときめく片づけの魔法』はワールドワイドで700万部。いかに多くの人が本の片付け方法としてこのやり方を読んだかわかります。実際、どれくらいの方がこのやり方を実践されているのでしょうか。特に狭い住宅事情を抱える都市部の人々の中には、このやり方を踏襲してすっきり整理されている方も多いのかもしれません。
この本を読んで思ったこと。殿堂入りを決めるのも、心のときめき度合いを感じるのも、それを整理する本人ということになると、気分のムラや気の持ちように寄って判定に揺らぎが出る可能性があります。もしも、本棚やブックカバー、あるいは読書環境に人の感情の揺らぎを捉えることができるセンサ(どんなんだ!?)を設置し、本人のときめき度を定量化できれば、かつ、それが一度限りの数値化ではなく、平均的な値として捉えることができれば、置いておくだけで、自然と要不要を判別してくれる本棚、が作れるようになるかもしれません。
心がときめくか否かにまかせて選んでみた、併せて読みたい本
脳と機械をつないでみたら――BMIから見えてきた (岩波現代全書)
- 作者: 櫻井芳雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/07/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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