感情分析の応用
はじめに
今回の投稿は以下の記事を参考にしています。原文も併せて参考にしていただければと思います。
感情分析の応用
さて、世の中には電子書籍分析サービスを行う会社があります。例えば、Jellybook社は、電子書籍分析のスタートアップ企業のひとつだそうです。
電子書籍分析とは、どのページが最も人気があるか、ユーザが読むのをやめたり、あるいはどれくらい放置したか等、その使用状況を整理して出版社にレポートするサービスです。
今、電子書籍分析の世界では「読者が本についてどのように感じているか」、つまり、本についてどのような感情を持っているか、を把握することがホットトピックとなっています。いわゆる読者アンケートなどでは表出しない、本音を知りたいということです。
本に対する感情を知る方法のひとつとして、感情分析(Sentiment analysis)という技術があります。
Wikipediaによると、感情分析とは「自然言語処理、文章分析、バイオメトリクス等を用い、情動状態や主観的情報を特定、抽出、定量化する研究全般」を指します。テキストや画像、動画から感情的な部分を特定するための感情分析ソフトがあり、たとえば、Facebookは定期的に感情分析ソフトを用いてユーザをフィルタリングしています。
IHE(INSIDE HIGHER ED)のレポートによれば、生徒たちの顔をカメラで撮影し、飽きている・懸念している・混乱している・無関心であるといった感情を検出、インストラクター(先生でしょうか)が能動的に教室を活性化するよう働きかける、という実験があるようです。
このような試みを、読書に活かしてはどうか。スマホやタブレットで読書している間、例えば数秒刻みで顔写真を撮り、それを解析することで、どのシーンで最も気持ちが盛り上がったか、等を特定できるようになる可能性があります。
元ネタの記事では、この可能性について、”Yes, that is creepy”、つまり、キモイ!、と全否定しています。そりゃそうですよね。だって、純粋に読書を楽しんでいる時の顔写真を何枚も撮られ、今あなたこう思ったでしょ? と分析されたら、誰でもいい気分はしないと思います。
考察
この技術、読書中の人の分析ではなく、本の表紙を見た時の感じ方に応用できないかなと思いました。
ハードカバーの装丁でも、文庫本の装丁でも、もっと言うと電子書店の書影でも、表紙は本を選ぶのに重要な要素だと思います(本のジャケ買いもあるくらい)。
そのため、まず表紙を見た時の表情をカメラでとらえて感情を分析し、「こういう絵柄の時はこういう感情を持つ人が多い」というデータをディープラーニングで学習していくと、人が心地よく感じる表紙、人が怖いと感じる表紙、人が・・・な表紙、等、いろいろな表紙が作れると思うのです。GANとか使って(素人発言^^;)
将来的には、今このタイミングで表紙を見せるならこんな感じがいい、とかそういうチューニングもできちゃうかもしれません(統一感がなくなるからダメかな)。
表紙生成の話はおもしろそうですが、読書は非常に個人的な体験。そこを分析することの難しさを感じさせてくれる記事でした。
参考
やっぱりこの本ですよね!

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