読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

『戦略読書』定点観測 - 2017年7月

はじめに

夏ですね。毎日暑くてヘトヘトですが、そんな日こそ、涼やかな室内で読書にいそしみたいものです。

さて、下記は、今年の読書ポートフォリオ・マトリクス(以下、RPM)です。昨年の実績値を参考に、年間200冊・読書時間460時間、マトリクスは横軸が「鍛錬⇔趣味」、縦軸が「基礎⇔応用」としています。

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図1 2017年版のRPM

定点観測

以下、軸別に読んだ本とその一言メモになります。

趣味-基礎

翻訳できない世界のことば

翻訳できない世界のことば

 

お気に入りの言葉がたくさん見つかった。いろいろな状況が言葉になってるんだな。気になった言葉は、「TREPVERTER」「NUNCHI」「TSUNDOKU」「COMMUOVERE」「JUGAAD」かな。意味は、わかりやすい絵とともに本に記してあります^^

 

戦後のサバイバル (歴史漫画サバイバルシリーズ)

戦後のサバイバル (歴史漫画サバイバルシリーズ)

 

子どもたちに人気のサバイバルシリーズ。戦後の日本社会についてかなりわかりやすくまとめられていた。マンガのストーリーもしっかりしてるし、短い時間で読めてしまう。大人が歴史をざっくり振り返るのにも向いてるかも。

 

ランド(1) (モーニングコミックス)
 
ランド(2) (モーニング KC)

ランド(2) (モーニング KC)

 
ランド(3) (モーニング KC)

ランド(3) (モーニング KC)

 
ランド(4) (モーニング KC)

ランド(4) (モーニング KC)

 

なんだろ、民俗学的な、SF映画的な、そして少し怖くて、ぐいぐい引き込まれる不思議な世界観。しきたり、ルール、そんなものの、有り様を考えさせられる面白い一冊。←ここまで、1巻の感想です。4巻まで読み進めると、もう展開がすごくてすごくて、驚きの連続です。ランドって何なんだ!?
あぁ続きが読みたい。

 

男くさいけど、こういう世界、嫌いじゃない。暑苦しいけど、ボクトツに真摯に山と向き合う男たち。少し話が間延びしている気もするけど、それもまた重厚感につながってるんだろうな。「山がそこにあるからさ
G.マロニー」うーん、かっこいい。 

 

全員少年探偵団 (一般書)

全員少年探偵団 (一般書)

 

びっくりした。あの、怪人二十面相の文体をそのままに、現代版の新しい話が作られている。オマージュという名にふさわしい作品。装丁も当時のままの、懐かしい感じの装丁。これはよくできてる。

 

趣味-応用

書店員のリアル。お仕事系の話はやっぱり現場が最強だよね。現場が一番偉い。だって説得力あるし、日々嫌でもいろんなことが起こって、楽しいんだよ。そんな気にさせてくれる、元気をもらえる一冊。

 

図書館の主 1巻

図書館の主 1巻

 

改めて図書館司書の役割を教えてくれて、そして本はたくさんあるからこそ、その出会いに導いてくれる役割の大切さを実感。15巻で完結らしいが、全巻読みたい。

 

鍛錬-基礎

なし

 

鍛錬-応用 

人工知能の見る夢は AIショートショート集 (文春文庫)

人工知能の見る夢は AIショートショート集 (文春文庫)

 

SF作家とAI学会のコラボ企画。対話、自動運転、ゲーム、哲学、創作など、AI関連トピックをSF小説にして、その具体的な現状を研究者が開設するという面白い内容。2012年の深層学習の精度がブレークスルーとなり一気に広がった感のあるAI。社会に浸透してくるといろんな側面から捉えなければならない面白くも大変なジャンルだよな。いや、刺激的な本でした。

 

本を読む人だけが手にするもの

本を読む人だけが手にするもの

 

本ブログで紹介する予定。読書に対する姿勢がわかる一冊。本をむさぼるように、読みたくなる。

 

分析

まずは今月のRPMから。先月分類を整理したので多少わかりやすくなっています(と思います)。

今月は借りた本(TSUTAYAと図書館と)の割合が多い月でした。特にここ数ヶ月、マンガを再考している、と言いますか、マンガの力ってすごいなぁと感じつつ、いろいろなタイトルに手を出しています。マンガは完結するまで冊数が重なるので、購入となるとお金もスペースもかかります。そうなると、必然的にTSUTAYAで借りることが多くなるわけです。学習系マンガだと図書館にもあるのかな。

ということで、以下、今月のRPMのグラフになります。積み上げ縦棒が冊数、折れ線が読書時間です。

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図2 今月のRPM

続いて、累積のRPMについて。うーむ。グラフの台形さ加減が変わりませんね。古典って教科書的な感じがしてどうもとっつきにくいのです。まずは古典のピックアップをするところからやってみようかな。実際にリストにしてみると、少しは興味がわいてくるかもしれない。

 

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図3 累積RPM

次に読む本

戦略読書のキモは、他人と差別化するために、他人と違う本を戦略的に読みこなしていくことになります。そのために考えた作戦が、組み合わせて自分が選ばない本を選んでみるというものでした(図4参照)。

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図4 組み合わせて自分が選ばない本を選んでみる

この仕組みに則り、今月も本を選んでみました。

①キーワード(思い浮かんだ単語を書き出すだけ)

対話、自動運転、ゲーム、哲学、創作、読書、高度経済成長、復興、民俗学、実験、近未来、恐怖、登山、男、重量、文体、オマージュ、少年、言葉、翻訳、表現、仕事、届ける、選ぶ、ジャンル、出会い、ヒューマンドラマ、児童文学

 

②トピック(順番に5つに分けただけ)

  1. 対話、読書、近未来、文体、表現、出会い
  2. 自動運転、高度経済成長、恐怖、オマージュ、仕事、ヒューマンドラマ
  3. ゲーム、復興、登山、少年、届ける、児童文学
  4. 哲学、民俗学、男、言葉、選ぶ
  5. 創作、実験、重量、翻訳、ジャンル

 

③選んだ本(各キーワードをAmazonでAND検索。ヒットしなかったら、後ろからキーワードを減らしていく) 

うーん。ここ数ヶ月やってるけど、単なるAND検索、じゃないかもなぁ。複数のキーワードからどうやって選書していくか、もう少し考えてもいいかもしれない。今回はいつものルールで選んでみました。

つまり、読書は冒険だ。 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義5

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少年Hと少年A

少年Hと少年A

 
モウリーニョの本性―「言葉の男」のコトバから哲学を読み解く

モウリーニョの本性―「言葉の男」のコトバから哲学を読み解く

 
創作の極意と掟 (講談社文庫)

創作の極意と掟 (講談社文庫)

 

 どれも気になる本なのですが、自分が選ばない本=読みたくない本、にしてしまうとモチベーションが下がってしまうので、選んだ5冊から最も読みたい本と、最も読みたくない本を除外し、残った3冊から選んでみました。

その結果、今月は『少年Hと少年A』にしたいと思います。

 

④次に読む本ストック

来月はいよいよ、ストック本を消費する月にしようかしら(いつの間にか、そういう企画に変更)。

参考