読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

マインドマップ読書

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マインドマップ読書のすすめ

マインドマップってご存知でしょうか。頭の整理に使われる手法のひとつで、キーワードやアイデアを線でつないでいくことで、全体的に考えや概念を図のように表現する手法です。

例えば議論をするとき、吹き出しに議論のトピックやキーワードを書き、関連する吹き出しを線や矢印でつないでいきます。そうすることで議論が図のように表現され、全体的にどんな議論をしていたのか、その理解を助けてくれます。

イデア出しや思考の整理などいろいろなシーンで使われるマインドマップですが、読書の整理にも使えるんです。もちろんこの発想はdoksyo-tekが初めて提唱したというわけではありません。すでに書籍なども出ており、いろいろな方が実践しています。今回はそれをやってみた、という記事になります。

対象となる本

新書やノンフィクションなど、目次がついているもの、目次が本の骨子になっており、おおよそのテーマや内容、言いたいことなどが把握できる本が向いていると思います。小説などはちょっと向いていないかもしれません。もちろん目次がある小説もありますが、1章・2章など、内容のわからない連番だったりする場合が多く、そういう本は難しそうです。

読みながら付箋を貼る

目次を確認したら、まずは読み進めます。そして、気になる箇所が表れたらひたすら付箋を貼っていきます。doksyo-tekは3Mのスリム見出しポスト・イット(710RP-K、100枚×10パッド、50mm×7.5mm)という、細めの付箋を愛用しています。幅が5mmなので、当該の行以外、文字が隠れることなく付箋を貼ることができます(付箋の付け方や下線の引き方は奥が深いので、別途記事を書きたいと思っています)。

一通り読み終えたら、再度目次に目を通して、それから付箋の箇所を再確認していきます。そうすると、あぁここはこういう意味で気になったから貼ったんだな、とか、あれ、これは改めて読み返すとあまり意味がなかったかな、などが見えてきます。ここでいらない付箋は剥がしてしまいます。

関係性を意識して書き起こす

本当に気になる付箋だけが貼られた状態が完成したら、マインドマップツールを使って書き起こしていきます。doksyo-tekはXMindというツール(無料版)を使いました。Windows版、Mac版、モバイル版もあり、直感的で使いやすいです。有料版は画像の貼り付けや各種フォーマットへの出力、ファイル同士の結合などができるそうです。便利そうなので買ってもいいかも。

XMindでは、まず中心にタイトルを書きます。そして、目次を参考に、章のレベルでトピックをつなげていきます。目次の章タイトルをそのまま並べてもいいですし、章タイトルが長かったら自分でわかるように短めにアレンジしてつなげてもいいと思います。

ここまでできたら、あとは各章で付箋をつけた箇所を書き写していきます。ここも、丸っと書写してもいいですし、長かったら自分でわかるように意訳したり、あるいは短めに文を区切ったりしてもいいと思います。また、付箋の出てくる順番に縦に並べてつなげていくのもいいですが、関係が深い箇所の場合、横につなげて深くしていくのもポイントです。加えて、これはXMindの機能ですが、複数のトピックをカッコでくくったり、離れたトピックを矢印でつないで関連性を強調するのもいいと思います。

マインドマップ完成!

さて、こうやって完成したマインドマップ読書例を示します。これは『「処方せん」的読書術』(奥野宣之著、角川oneテーマ21)を読んだ時のものです。

本のタイトルを中心に、「骨子」、「章タイトル」(タイトル名をアレンジし「不安を鎮める読書」「前向きな気持ちを起こす読書」「折れない心を作る読書」「自分を取り戻す読書」「工夫」の5つ)、「読んでみたい本・情報源」に分けてみました。「骨子」には本全体の自分なりのまとめを入れ、また最後の「読んでみたい本・情報源」には全編を通して紹介されていた本の中から、自分が読んでみたい本をまとめています。そして、「章タイトル」が入っている5つのパートには、付箋の気づきを記しています。

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『「処方せん」術読書術』マインドマップ

まとめ

こうしてまとめてみることで、読んだ本から自分なりの気づきとエッセンスが抽出できて、かつ、それを記録しておけるというメリットがあると思いました。ただ読みっぱなしではなく、付箋をつけてなんとなく気になったところに印をつけておくだけでもない。あとからマップを読み返しても、どんな本でどんな気づきを得たのかわかる。それに、付箋をぺたぺた貼っていく感覚に近いので、さほど面倒でもない。もちろんただ読むだけよりは手間がかかりますが、読んだ内容を活かすためにはオススメなまとめ方だと思います(やってみて、全部の本をやらなくてもいいことに気づきました。あくまでやったほうがいいと思う本だけ)。

加えて、こうやってさまざまな人が記す読書術をマインドマップ図として書きためていったら、それはさらに大きな読書術マインドマップができることになり、そして、それはさまざまな読書術の俯瞰図、文字通り「読書術マップ」のようなものになると思います。読書とは何か。まさにそのような大きなテーマを図示することができるかもしれません。

はてなに戻しました

ここ一年、自力ブログをやってみようとドメインをとってWordPressを入れて環境を作ってはてなから移行させていました。

アフェリエイトで小稼ぎなんかもしたいという下心もあり。ただ、結論から言って、自力ブログは豆じゃないとメンテナンスが大変です。夏頃は楽しく環境整備していたのですが、秋冬はアクセスすらしない状態に。。こんな状態で運用費だけがかかるのはアホらしいので、いったんあちらは閉めて、やはりなじみのはてなブログでのんびりと書いていこうと思います。

どうぞよろしくお願いします。

各社の無料公開状況まとめ

新型コロナウイルス感染症の広がりを受け、小中学校の一斉休業や人の集まる場所の閉鎖、イベントの中止などが相次いでいます。このような事態を受け、様々な出版社や関連会社が小説やマンガ等の無料公開を始めています。

現在、どのような状況になっているのか、まとめてみたいと思います。

※本稿の内容は2020年3月11日(水)現在→2020年3月13日(金)更新の状況になります。詳細につきましては、各リンク先でお確かめください。

3月13日以降の状況は、下記リンクも併せてご確認ください。

株式会社秋田書店

株式会社朝日新聞出版

SBクリエイティブ株式会社(3/13追記)

公益財団法人大宅壮一文庫(3/13追記)

株式会社オトバンク(3/13追記)

株式会社学研ホールディングス

  • コンテンツ:『まんがでよくわかるシリーズ』、『学研2020年春の応援ライブラリー』、『学研ニューワイド学習百科事典』、「ニューコース学習システム」、「やさしくまるごと小学」シリーズ、「えほん応援ライブラリー」アプリ、「学研2020年春の応援ライブラリー」、など多数
  • 公開サイト:家庭学習応援サイト
  • 期間:2020年3月31日まで
  • ニュース:同上

株式会社KADOKAWA

株式会社技術評論社

株式会社銀の鈴

株式会社講談社

株式会社講談社(3/13追記)

シマラヤジャパン株式会社

株式会社集英社

株式会社集英社

株式会社集英社

株式会社集英社(3/13追記)

株式会社主婦の友

株式会社小学館

株式会社小学館

株式会社小学館(3/13追記)

株式会社誠文堂新光社

株式会社白泉社

株式会社ソニックガーデン(3/13追記)

株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(3/13追記)

株式会社図書館流通センター(3/13追記)

株式会社日本コスモトピア(3/13追記)

株式会社文藝春秋

株式会社ベネッセコーポレーション

株式会社マッグガーデン(3/13追記)

文部科学省

読売新聞オンライン(3/13追記)

株式会社ロクリン(3/13追記)

「読むこと」とテクノロジーの関係を整理する

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今回は、次の記事をきっかけとして「書くこと」の対にある「読むこと」に関するテクノロジーの関係を整理してみたいと思います。

www.itmedia.co.jp

記事では、「道具とそれを使った思考」という観点から「書くこと」について論じています。

道具という点では、次のような入力形態に言及しています。

ここでのキーはデータ化できること。PCやスマホを使った入力はもちろんのこと、紙+手書きもカメラ撮影で画像化したり、OCRにかけてテキスト化することでデータ化が可能です。

そして、音声入力。この形態が進化すると、これからはデータ化に加えて「論理的な長文作成のノウハウ」を得ることが大事になると説いています。確かに話し言葉と書き言葉はだいぶ異なるので、話し言葉がテキスト化されてもそのままでは使いにくく、書き言葉(=文章)として成立するための論理的な作成ノウハウは重要視されそうです。

余談ですが、かつてとある文字起こしをしたことがありますが、話者の言葉をただテキスト化するだけではまったくダメで、それを意味のある構成に作り変えることに大いに労力を使ったことを思い出しました。

さて、この話題を「書くこと」から「読むこと」に置き換えてみるとどうでしょうか。

「書くこと」の対が「読むこと」であるならば、まず、書くこと=入力、だとすると、読むこと=出力と捉えることができるかと思います。ただ、これは実は入出力の中心がコンピュータである場合の話です。例えばキーボードやマイクから情報が入力されると、コンピュータで処理され、ディスプレイやスピーカーに出力される、というわけです。

では入出力の中心を人間にしてみたらどうでしょうか。入出力の関係は逆転し、書くこと=出力、読むこと=入力となります。例えば、文字図形が目を通して入力されると、脳内で知識として処理・蓄積され、書くときに道具と思考を使って、出力されるわけです。

つまり、「読むこと」にはコンピュータの側面から見た出力のテクノロジーと、人間の側面から見た入力のテクノロジーがある、と考えられそうです。

今回は個々のテクノロジーについてはあまり詳細に言及しませんが、それぞれ、次のようなテクノロジーの視点があるかと思っています。

出力のテクノロジー

入力のテクノロジー

  • 構造化文書処理
  • 文章理解
  • わかりやすさの定量
  • 記憶・概念の組み合わせなど脳科学の知見

こうして並べてみると、出力系に比べて、入力系には多くの課題がありそうです。例えば構造化文書ひとつをとってみても、文書を構造的に記述できる言語は多々研究開発されてきていますが、ではそれをどう構築していくのか、人によって受け取り方が異なる「文章の理解」や「わかりやすさ」にどういったアプローチで指標を作っていくべきか、かなりの研究の余地が残されていると感じています。

今回は、読むことを取り巻くテクノロジーについて、簡単に俯瞰してみました。今後は入出力それぞれのリストの精緻化、個々の研究課題の明確化などを行い、読むことのテクノロジー、すなわち読書工学のグランドデザインを考えてみたいと思っています。

2019年の読書

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遅ればせながら、2019年のまとめをしたいと思います。2019年は、読了した書籍、マンガ、見終わった映画はすべてブクログに登録して管理してきました。

booklog.jp

そして、2019年の総数は次の通りでした。バンッ。

  • 本 41冊
  • 電子書籍 2冊
  • マンガ 75冊
  • 雑誌 1冊
  • 映画 42本
  • 合計 161件(うち書籍関係は119冊)

改めて公表するほどの数字ではないのですが、2019年に楽しませてもらった数になります。本+電子書籍で43冊。毎月3.58冊読みました。これにマンガ75冊と雑誌1冊を加えると、全部で119冊。毎月9.91冊読んだことになります。

2点補足ですが、「電子書籍」は「電子書籍でしか出版されていないもの」の総数です。電子で読んだけど、紙の本が出ている場合、「本」としてカウントしています。また、「雑誌」は月1~2冊は読んでいたけど、2019年はブクログに記録していませんでした(1冊紛れていたのはノイズですね。今年は雑誌も記録します!)。

ブクログは本当に便利で、月別・ジャンル別にどれくらい消費したか表やグラフで可視化してくれたりもします。

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図1.2019年のdoksyo-tekの読書グラフ

こうやってみると、いつ頃何に興味を持っていたのかよくわかります。

例えば、9月はマンガが多いのですが、『進撃の巨人』が無料で読めるキャンペーンをやっており、ひたすら読んでいたためです。とか、11月は本が多いのですが、『十二国記』にハマって読み始めたり、これまで少しずつ読んでいた本が読了になったりしたのがたまたま11月ごろでした、とかとか。

ここで、もう少しどんなジャンルの本を読んでいたのか見てみようと思います。今回は「本」に登録していた41冊を対象にしました。対象本に対し、Amazonの商品分類体系を用い、当該の本がどの分野か、調べてみました。

Amazonの商品分類体系は、「本(和書)のジャンル一覧」を用いました。「Kindle本ジャンル一覧」とどちらがいいのか迷いましたが、今回は紙の本の一覧を用いました。

調査は、体系表から探すのではなく、商品ページに貼られた分類リンクを確認することで行いました。例えば『空飛ぶタイヤ(上) 』の場合、まず商品ページを見ます。下側の登録情報を見ると、「Amazon売れ筋ランキング」に次の分類リンクが貼られています。

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図2.Amazon 登録情報

この赤枠で囲った部分はパンくずリストになっており、下記の分類になっています。

本/文学・評論/文芸作品/日本文学
本/文学・評論/文学賞受賞作家/直木賞/126-150回
本/文庫/講談社文庫

これを見るだけで、当該の本がどんなジャンルの、どんな内容を扱う本なのかおおよそわかると思います。ジャンルはいくつかのサブカテゴリから構成されているので、41冊分を調べてみると、どんなジャンルの本をどれだけ読んだのかがわかる、というわけです。

ちなみに、ある本には複数のジャンルが設定されていることが多い(複数のジャンルから本までたどれるということですね)ので、以後のカウント数は延べ数になっています。

一番上位のカテゴリは全部「本」だったので、二番目のサブカテゴリをカウントしてみると次のようになりました。

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図3.サブカテゴリ1

 こちらは三番目のサブカテゴリ。これより細かなカテゴリは結構「なし」も多いので割愛。

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図4.サブカテゴリ2

こうしてみると、2019年は「文学・評論」「文庫」を多く読んだ一年であったことがわかります。具体的には「文芸作品」「ミステリー・サスペンス・ハードボイルド」系の本が多く登録されていました。確かにdoksyo-tekの好きなジャンル(笑)。

また、かつて朝井リョウさんが「作家の世界観が顕著に表れるのはエッセイ」と述べていたことを思い出し、意識的にエッセーや随筆を多く読むように心がけていた(つもり)でしたが、結果は5冊・・・。まぁ、読むべきものと読みたいものはいつも違うということを如実にあらわした例と言えるかと思います。

ここに挙げられた項目は、たとえ1冊であってもdoksyo-tekにとって興味があるジャンル、カテゴリです。となると、あえてここに挙げられなかったものから選んでみるのも、新たな発見があって面白いかもしれません。ジャンルだけ毎月決めておいて、そのジャンルに属する本を図書館で借りて読むとか。うーん、考えるだけで楽しいです。

おまけ

ちなみに、読書とは直接関係ありませんが、映画は思った以上に視聴していました。ほとんどがAmazon Primeですが、うちの近所のレンタル屋さんだと旧作1週間で約300円。300円x42本=12,600円。Primeの年間利用料は4,900円。これだけで7,700円も得していました!