『戦略読書』定点観測 - 2017年11月
はじめに
ためこんでしまった戦略読書分析の第3弾。2017年11月分です。
こちらは戦略読書の投稿では毎回出している読書ポートフォリオ・マトリクス(Reading Portfolio Matrix, RPM)。
定点観測
以下はRPMに基づく分類別読んだ本と一言メモです。
鍛錬基礎
なし
鍛錬応用
やっぱり相当がんばっている気象予報士のお仕事本。受験も、短い予報時間でどう掴むかも、あらゆる方向から作り上げていくからこそ、あのクオリティが出せるんだなと実感。プロ、だよなぁ。
p183
(レゴアーキテクチャーシリーズを考案した)アダム・リード・タッカーは、自分のレゴモデルで「その建物の本質と純粋な彫刻的形」をとらえることに最も関心があり、完璧なプロポーションや精密な細部にはあまり関心がない。
シンプルな組み合わせで本質を表現すれば、自ずと佇まいが似てくるということ。
p148
"計画や生産の立場に思いを馳せながら街角商品を観察すると、自分との距離を近くに感じることができ、実際の成り立ちを知りたくなってくる。"
![ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 5 月号 [雑誌] (知性を問う) ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 5 月号 [雑誌] (知性を問う)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/31knXZ04W0L._SL160_.jpg)
ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 5 月号 [雑誌] (知性を問う)
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/04/10
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログ (5件) を見る
「知性を問う」における朝井リョウさんのインタビュー記事「小説は何者が生み出すのか」を目当てで。後述しています。
趣味基礎

中年スーパーマン左江内氏 (てんとう虫コミックススペシャル)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/12/28
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
大人版パーマン。家庭とヒーローの両立に苦労するお父さん。解説で福田雄一氏が述べているが、F作品の根底には「人間っていいものだ」というメッセージが流れている。F先生はいつだって人を信じている。だから、作品がほんのりとあたたかいんだろうな。

かいけつゾロリ たべるぜ! 大ぐいせんしゅけん (41) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)
- 作者: 原ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2007/07/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (4件) を見る

かいけつゾロリ やせるぜ! ダイエット大さくせん (42) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)
- 作者: 原ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
何度も読める仕組みだらけで、今読み返しても飽きない! 大ぐいせんしゅけんとダイエット、対で読まないとダメ!

かいけつゾロリのちていたんけん: かいけつゾロリシリーズ62 (かいけつゾロリシリーズ 62)
- 作者: 原ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2017/11/22
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
イシシ・ノシシのフィギュアゲットしました!! これに続く撮影しなくちゃ。
その名の通り、東京各所をカメラで撮影していくお話。主人公の高校生の目を通して、東京という街が写し出されていく様が心地よくて、なんとも瑞々しい。
殿間はドカベンで好きなキャラクター。飄々としている風だが、実はとても努力家。天才って、99%の努力ができる人なんだよなということを再認識させてくれる。
自分の感じたこと、考えたことはちゃんといえるようにならなくちゃいけない。ばかなことをはっきりいえなくちゃいけないんだ。
えぐられた。小説は現実じゃないから時間の無駄っていう人にも読んでもらいたい。現実じゃなくても、言葉で紡がれる現実ぽさは、現実よりもリアルに来る。
なんだこの後味の悪さと、もう一度読みたくなる感じ。怖い。怖いよ。気味が悪いと行った方がいいか。行間を読むというが、それ以上にもっと想像力が必要な壮大なお話。
久々に大好きな作家が現れた。自分よりもとても年下なのに、心を揺さぶられる。こういうみんなが感じる感覚を言語化できる人って、本当にすごいな。遠藤周作の早稲田版。中学生のときに出会ってたら、憧れただろうな。
趣味応用
読書で得られるもの。忍耐力。理解力。そして、自分がいかにものを知らないかを知る、ということ。
何冊も気になる本が紹介されていたので、書評まとめをしておきたいな。
分析
11月は『かいけつゾロリ』や『はれときどきぶた』等、子どもの名作を振り返りました。
また、朝井リョウさんのブームが9月以来続いており、『何者』や『時をかけるゆとり』を読みました。彼のエッセイはめちゃくちゃ面白いです。早稲田の朝井リョウと慶應の遠藤周作。時代も書き方も視点も異なるんだけど、なんとなく、エッセイの早慶戦ができそうな共通点があるんじゃないかと感じました。
さらに、朝井リョウさんについては、『ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2017年 5 月号』の特集「知性を問う」におけるインタビュー記事「小説は何者が生み出すのか」も読みました。AIが台頭してきた時に問われる人間の価値=創造性について書いたという『ままならないから私とあなた』、絶対読みたいです。
ということで、以下は11月のRPMグラフ。積み上げ縦棒が冊数(色は形態)、折れ線グラフが読書時間です。
累積はこちら。
次に読む本
今月は次の本を選んでみました。選び方は、今年1月のブログをご参照ください。
以下、「次に読む本」ストックリストです。
- 『卵子探しています: 世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』
- 『ローワンと魔法の地図 (リンの谷のローワン 1)』
- 『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』
- 『君の膵臓をたべたい 』
- 『少年Hと少年A』
- 『脱出老人: フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち』
- 『楽園のつくりかた』
- 『美しい世界の傑作ミュージアム 何度でも行きたい素敵な博物館、美術館』
- 『創作の極意と掟 (講談社文庫)』
参考
- 戦略的に読書をするためにやったこと2016
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年1月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年2月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年3月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年4月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年5月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年6月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年7月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年8月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年9月
- 『戦略読書』定点観測 - 2017年10月