読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

『戦略読書』定点観測 - 2017年8月

はじめに

下記は、今年の読書ポートフォリオ・マトリクス(以下、RPM)です。

昨年の実績値を参考に、年間200冊・読書時間460時間、マトリクスは横軸が「鍛錬⇔趣味」、縦軸が「基礎⇔応用」としています。

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図1 2017年版のRPM

定点観測

以下、軸別に8月に読んだ本とその一言メモになります。

趣味-基礎

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

プラネテス(1) (モーニングコミックス)

 
プラネテス(2) (モーニングコミックス)
 

宇宙ゴミの収集が商売になる近未来の話。全4巻なのでまだ半分だが、熱くて面白い。次の一節なんて、なかなか哲学的で素敵。

この世に宇宙の一部じゃないものなんてないのか
オレですらつながっていて
それではじめて宇宙なのか

 

寄生獣の人が原作なので借りてみた。

まだレイリが何者でどんなメッセージがあるのかわからないけど、出来事の緻密なディテールと登場人物の心情の機微は読んでいてハラハラドキドキさせられる。面白い。

 

山賊ダイアリー(2) (イブニングコミックス)

山賊ダイアリー(2) (イブニングコミックス)

 

楽しい。作者自身が楽しんでいるのって、作品にじんでくる。今回も知らない世界のTipsをたくさん教えてもらいました。
次のフレーズ、好きだなぁ。

”ぼくが思うに生肉の美味しさは人の本能に訴えかける何かがありますね
単に味が美味しい というより脳が喜びを感じているような気がします"

 

いぬやしき(9) (イブニングKC)

いぬやしき(9) (イブニングKC)

 

立川まんがぱーくで一気読み。ただし9巻まで。

文明を超越した技術は人びとに何をもたらすのか!? 老人と青年、正義と悪。明瞭な対比の中で分かりやすく描かれていく。うーん、早く最終巻読みたいなぁ。

 

うちは、容れ物も、中身も込みで、うち、なんやな(195ページ)

みんなの本当の気持ちって外出ししないし、してても気付かないこともあるし、この本に書かれているように、でもそれをうまく調節して(それは家族であっても)、中身も外見も磨いていくといいよって教えてくれた気がする。

やはり、この人の本は面白い。

 

趣味-応用

うさぎとマツコの往復書簡

うさぎとマツコの往復書簡

 

中村うさぎマツコ・デラックスの両名が、それぞれの目線で語る人生論。生きるとは。幸せとは。

"私たちは「世界の中で居場所を確保できる自分」を「本当の自分」と呼んできただけの事。"

このフレーズ、的を得ている気がして、好きだなぁ。

 

図書館の主 2巻

図書館の主 2巻

 
図書館の主 3 (芳文社コミックス)

図書館の主 3 (芳文社コミックス)

 

2巻で見つけた名言。

"つまり図書館ってのは
自分で本を買って読むきっかけを与えてくれる所なんだよ

図書館で本を知って
本屋で本を買う
図書館と本屋ってのは
そんな関係でありゃいいって俺は思うがね"

 

ペルセポリスI イランの少女マルジ

ペルセポリスI イランの少女マルジ

 

イランの歴史と、特に1980年代~のリアルな体験談をコミック化したもの。

黒色が多いのが外国マンガだなって感じで、最初読みにくかったが、慣れてくると内容がヘビーな分『ナニワ金融道』的な手法(あえて二次元ぽく描く)を用いてるのかもしれない。

 

おかんメール

おかんメール

 

図書館にて読書。言葉のコミュニケーションってやっぱり面白い!

紫外線通信(詳しくは本書でご確認ください)できたらいいなー。

 

中央線のゆるふわな散歩ポイント特集。眺めているだけで各駅に降りたって散歩したくなる。秋になったら中央線沿線を練り歩くのも、いいかも。

 

鍛錬-基礎

なし

 

鍛錬-応用 

人工的な地下、自然の地下、そして過去の地下。ナショジオの写真力、かなり圧倒されます。これは一読、いや一見したほうがいいです。個人的には、人工的な地下にグッときたかな。

 

ヴァージニア・リー・バートン―『ちいさいおうち』の作者の素顔

ヴァージニア・リー・バートン―『ちいさいおうち』の作者の素顔

 

『ちいさなおうち』『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』『せいめいのれきし』『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』、、、大好きな作品の作者、ヴァージニア・リー・バートンの伝記。生い立ちから作品の創作過程、デザインの工夫まで、文字通り彼女の素顔がよく分かる一冊。

未完の『デザイン、どのように!』って本の原稿だけでも読んでみたい。

 

分析

まずは今月のRPMから。趣味-基礎の図書館が多いですが、ここには立川まんがぱーくで読んだマンガも含めています。RPMのグラフは、積み上げ縦棒が冊数、折れ線が読書時間です。

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図2 今月のRPM

続いて、累積のRPM。じわじわと趣味-応用が伸びている、かも。そして、鍛錬-基礎はまったく読み進めていません。やはり「がんばって読むべきリスト」を作る必要がありそうです。 

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図3 累積RPM

次に読む本

戦略読書のキモは、他人と差別化するために、他人と違う本を戦略的に読みこなしていくことになります。そのために考えた作戦が、組み合わせて自分が選ばない本を選んでみるというものでした(図4参照)。

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図4 組み合わせて自分が選ばない本を選んでみる

この仕組みに則り、今月も本を選んでみました。

①キーワード(思い浮かんだ単語を書き出すだけ)

宇宙、ゴミ、侍、仕返し、ジビエ、生肉、老人、青年、対比、関西弁、人生論、居場所、図書館、本屋、翻訳、イラン、平面、おかん、言い回し、中央線

 

②トピック(順番に5つに分けただけ)

  1. 宇宙、生肉、人生論、イラン
  2. ゴミ、老人、居場所、平面
  3. 侍、青年、図書館、おかん
  4. 仕返し、対比、本屋、言い回し
  5. ジビエ、関西弁、翻訳、中央線

 

③選んだ本(各キーワードをAmazonでAND検索。ヒットしなかったら、後ろからキーワードを減らしていく)  

宇宙論と神 (集英社新書)

宇宙論と神 (集英社新書)

 
東京語の歴史 (講談社学術文庫)

東京語の歴史 (講談社学術文庫)

 

今月は『脱出老人: フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち』にしたいと思います。

 

④次に読む本ストック

 

参考