読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

読書の記念日

読書の記念日と言えば、4月23日のサン・ジョルディの日や、10月27日からはじまる読書週間等が有名ですが、調べてみると大小たくさんの記念日が制定されているようです。

調べるのが楽しかったので、カレンダーに1年分の記念日をプロットしてみました(記念日サイトから、読書に関連しそうな日をピックアップするという、得意の地味作業です)。何を載せたかは、独断と偏見によりますが、月平均5日はなんらかの記念日があることがわかりました。夏は少なめっていうのが意外ですね。出版だと夏フェアよくやってるのに。

うまく見れない方用 >> 読書記念日カレンダー

さて、こうなってくると、当然世界中の読書にまつわる記念日を調べて、一大カレンダーを作りたくなってくるわけです。

まだ各記念日は質量ともに低めで、リンクも貼っていない状態ですが、少しずつ追記していこうと思います。

◇ ◇ ◇

ちなみに、本日6月27日はメディア・リテラシーの日であり、女性雑誌の日だったようです。

もっと上手に情報活用したいものですね。

kotobank.jp

2月27日説もある、女性雑誌の日。

matome.naver.jp

▼大橋 よしひこ,竹内 誠著「1年366日のひみつ (学研まんが新ひみつシリーズ)」(学習研究社)
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ABC少女エマ

ガチャガチャ(1回500円!)でゲットした、なごみ系読書フィギュアです。

kaiyodo.co.jp

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マクロ撮影難しい。。もっと上手くなりたい。。

ゆったりとくつろぎながら読書する姿は、読書本来の楽しさや豊かな心持ちを表現している、のではないかな。言い過ぎ?

ABC少女エマは、スウェーデンの芸術家リサ・ラーソンの造形で、Amalia、Beata、Charlotta、Dora、Emmaという5人の少女の頭文字をとって、ABC少女と名付けたようです。元々ブックエンドとして作られたシリーズなので、本を読んでいます。

リサ・ラーソンというと、しましまの猫が有名ですが、これもかなりいいです。お気に入りとして、デスクに飾っちゃいました。

『戦略読書』定点観測 - 2016年5月

はじめに

戦略読書・5月の定点観測です。

図1は、読書ポートフォリオ・マトリクス(PRM)を整理したものです。

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図1.読書ポートフォリオ・マトリクス(RPM

定点観測(2016/05)

上記RPMに基づいて実施した5月の定点観測結果です。

ビジネス基礎

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日本のインターネットの父、村井純氏による、インターネットの歴史、世界の取り組み、技術的な仕組み、そしてヴィントン・サーフの提言等、本当にインターネットの基本がわかる1冊でした。普段何気に使っているインターネットを概観したい方に超おススメ。

 

ビジネス応用

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忘れる技術、勘違い工学、例示プログラミングに自己流ファイル整理法等々、UI研究の第一人者が問う、「コンピュータの使いやすさを進化させるには?」論。

フォーカスコンテキストの考え(必要な部分を強調しながらも、全体の流れを理解できるようなUI)や、留まる情報・流れる情報の考え(ネットを使って、肝心な部分とそうでもない部分を適切に使い分ける)は自分の仕事にも応用してみたい。

 

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世界で起きている10の問題の解説。社会課題って言葉にすると大きすぎて想像しづらいけど、問題を子どもの実例に重ね合わせることで、誰でも容易に想像することができる。

 

非ビジネス基礎

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ごくありふれた生活から、突然考えられないような別の世界が現れる。そんな不思議な物語。あっという間だけど、ジェットコースターのような素敵な二分間。一機に読めちゃう名作でした。

 

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さほど本を読まない女の子が、不思議な本屋でとても素敵な本と出合うお話。フルホン氏曰く、「本というのは、たましいをこめて書かれるかぎり、すべてが『すごい本』なのだ。それを感じとることができるかどうかは、読み手の質にかかっているがね」。

 

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海難救助を中心とした、海上保安官の活躍を描いたマンガ。今年の初めに1冊11円で電子書籍で購入。その後、セール売上がすごくて印税も大変なことになったみたい。

死と向き合うって言葉にしちゃうと陳腐だけど、向き合うための「勇気」とか、「信じる気持ち」ってギリギリのところで本当に人間の未知の力を引き出すマジックなんだと思う。引き続き、読んでいきます。

 

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超能力をテーマにしているが、本質は「名もない市井の人々の営みが、社会を少しずつ豊かにしてきた」ことを見つめ直し、「自分に何ができるのか、ほんの少しでも歴史に自分を刻んでいこう」ってことなのではないかな。隠れた名作SFだと思う。「世界は目で見えている大きさの百倍も千倍も広いんだぜ!」ってフレーズが気に入った。

 

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人間の生命力のロバストさの源は、子を想う親の気持ちなんだと思う。さらりと読めちゃうけど、とても深淵で、何度も読み返したくなるマンガだった。これ、小説もあるみたいだから、今度読んでみよう。

 

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『かくかくしかじか』ですっかりファンになった、東村アキコさんの作品。もう最初のページから面白い! 上杉謙信女性説に則って描かれる、戦国マンガ。3巻出たら読みたいな。

 

非ビジネス新規

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キッチン、リビング周りの収納術が多め。個人的には、書斎や本棚についても言及があると完璧だったのにな。改めて、整理について実践的に取り組んでみたいと思わせてくれる、入り口としておススメのマンガです。

 

分析

以下は、5月のRPM分布と、累積(1~5月)のRPM分布です。

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図2.5月のRPM分布

 

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図3.累積のRPM分布

 

今のところ、1~5月の累積で71冊・161時間を読書に費やしています。平均してみると年間170.4冊(月平均14.2冊)、総読書時間386.4時間(月平均32.2時間)の予測であり、目標の100冊・400時間に対して、読書時間は雲行きが怪しいかも。

今月の気づき。読書媒体の使用をルーチン化する。通勤往復はスマホで、自宅デスクは紙で、自宅リビングは電子書籍端末で、といった具合に、シーンごとに使用する読書媒体を決めておいたほうがいいかなと思いました。

読むためにはそれなりの手続きが必要です(例えば、電子書籍端末であれば、①電源ボタンを押して、②画面をスワイプして、③書籍アイコンを選択し、④ブックマーク位置を確認し、⑤読み始める、といった感じ)。個々の読書媒体によって手続きが異なるため、ごちゃごちゃに使用すると混乱して、けっこう手間取ります。ならば、シーンと媒体を紐づけてしまえば楽なのではないか、と思ったわけです。

さて、来月はいよいよ戦略読書をはじめて、思考錯誤しつつ半年を迎えます。『戦略読書』を読み返しつつ、ちょっと中間報告ということで、考察してみたいです。

参考

読書的ニュース 2016-05

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2016年5月の読書的ニュースです。

 ▼就活で「趣味は読書」ではダメな理由 - エキレビ!(1/2)

「面接時における趣味は読書」問題。しっくりきた。面接で問われている「趣味」は「本職以外の技能」であり「道楽」ではない、らしい。でも、本を読む技法ってたくさんあるわけで、読書を本職以外の技能と捉えた場合、アピールポイントは何になるのかしら。

 

寝かしつけ中も読める! 子育てママに「電子書籍」がおすすめなワケ3つ | パピマミ

寝る前スマホブルーライトの影響で寝つきが悪くなるから良くないと言われてる。だったら、寝かしつけの観点ではうっかり寝を防げて有効だ、という話。これはナルホド。片手で手軽に読めるという利点もあるしね。

 

音読、黙読、速読、多読、乱読、熟読、精読、査読、積読など読書の在り方について - りゅうのすけのWebで生きてみる

いろんな「読」のまとめ。引用もしっかりしており、とてもわかりやすい良記事だと思う。個人的には査読が苦手(:-p) いろんな「読」を、精読×音読は○○派、みたいな感じでグラフにプロットしてみると、概観できて面白いかも。計算は、khcoderかな。

 

いつもと違う読書体験 | 文具ウェブマガジン pen-info

グラシン紙に包まれた、シンプルな本の形態。こんなのプレゼントされたらうれしい。

 

AIが書く詩はロマンチック。GoogleはAIにロマンス小説を学ばせている : ギズモード・ジャパン

これは、こないだGoogle I/Oで発表になったチャットボットAlloのエンジンにも使われるのかな。対話システム向けだったとしても、そのうち下手な恋愛小説より面白い小説が書けちゃうAIができそう。星新一プロジェクトの恋愛版があってもいいな。そうなると、教師データは誰の作品になるのでしょうか??

 

「人工知能の小説は面白くなっていくのか?」気鋭の若手が白熱協議! | ダ・ヴィンチニュース

川村元気、内沼晋太郎、芹川太郎の3氏による文芸論。気になったところを抜粋すると、以下の3点。お三方とも、いいこと言うなぁ。

  • テキストの強み
    • 読者が想像して頭の中で作り上げる領域の多いこと
    • 読んでいる時間を自分のペースでコントロールできること
  • Webと文芸
    • 表現→Web小説は「終わらない」ことが一つの表現形式
    • 特徴→Webは「物語」より「様相」(時計とか、波打ち際)を見せるのに向いている
  • 人工知能と小説
    • 読み手に合わせた小説ってすごく退屈そう
    • 人間にしかできないこと、それは書く前の「気付き」

 

ジャケ買い感覚で本を次々見て読みたい作品を見つけられるアプリ「BookStorm」 - GIGAZINE

本のジャケ買い! そうそう。ふらりと買う時って意外と装丁が大事。なんだかカッコいい、とか、なんだか面白そう、といった雰囲気が立ち上がってたりする。これはまたポチッとなを誘発するサービスですね。日本でも展開しているのかしら。

 

なぜ古い本はいいニオイがするのか? - GIGAZINE

経年で本から放出されるVOC(揮発性有機化合物)を本の制作年代特定に使おうという話。VOCの種類によって、いろいろな匂いになるのだとか。本と匂いの関係は、個人的な体験とも、連動するんだろうな。

 

本を開くと魔法のように中から立体物が飛び出す「飛び出す絵本」を巨大化させてみた - GIGAZINE

飛び出す絵本の大型・精緻版。シンメトリックな造形はキレイ。構成要素を組み替えて、3Dプリンタとかでもっと物語に則したオブジェクトを作り出せれば、新しい飛び出す絵本ジャンルができそうな気がする。

 

「積ん読」と表現するのは日本だけ?「翻訳できない世界のことば」を集めた本 - Excite Bit コネタ(1/3)

積ん読」は的確な外国語を持たない、ニュアンスを伝えるのが難しい言葉なのだとか。イラストと説明文がいい感じで、世界の様々な言葉が何を表すのか伝わってくる。Amazonで確認したら、ベストセラー1位だった。これは買いかも。

 

ブックオフで考えるリユース経済

ブックオフリユースモデル考。ブックオフっていろんな資本が入っているけど、伸び悩んでいる感じがぬぐえない。これまではたして適正価格で商品を取り扱ってきたのかな、という部分がポイントなのではないか。リユースってとてもいい考えなんだけどね。ブックオフ分析は、このページが丁寧にまとまっていました。

 

活字による読書が難しい方へ 対面朗読サービスを始めました — 新潟県立図書館ホームページ

いい取り組み。アクセシビリティってもっと真剣に考えられてもいい技術だと思う。なかなかビジネスになりづらい面があるので、みんな同意しつつも踏み込んで行かない領域なんだよなぁ。ロン・マッカラン氏のTEDトークを思い出した。

www.ted.com

パワー・ブラウジング読書

パワー・ブラウジングを促進?

『ネット・バカ』によれば、ウェブページは素早く・飛ばし読みされるもの(パワー・ブラウジングされるもの)でした。ならば、ウェブページをより簡潔にサクサク読むことができないものか、と考えたのですが、世の中にはいろいろな取り組みがあるようです。

gigazine.net

Instaglossは、文章中の要点箇所は濃い色で、それ以外は薄い色で表示してくれます。濃い色を読めば飛ばし読みできるというわけです。

サイトの紹介によれば、目は周辺視野から関連する言葉を選択しながら文字を追っており、視覚的にメリハリをつける(文字に濃淡をつける)ことで、より選択しやすくなるはずだ、と。何をもってメリハリとするかは秘伝のようですが、確かに素早くサクサク読めそうです。

また、読み飛ばすというより、読み間違えを減らすことで早く読めるよう志向したツールもありました。

gigazine.net

BeeLine Readerは、行単位で色をつけることで、視認性が高まり、行の読み忘れを軽減してくれるそうです。試してみたところ、読みづらさはありましたが、長い間使用していると慣れてくるとか。

間違えずに早く読ませるという視点では、目を動かさずに読ませてしまうというSpritzもあります。これはコロンブスの卵的で非常に感動したのを覚えています。

gigazine.net

パワー・ブラウジングと理解

これらは、ウェブページの内容を素早く把握するために作られたツールですが、内容の大掴みをするには、全体を把握し、それから詳細に進むというプロセスが大事な気がします。本における目次や前書き、論文における抄録などはまさに全体把握のための仕掛けなのだと思います。

だとすれば、ウェブページから、全体把握情報(内容の大筋、アウトライン)を抽出できれば、大掴みも容易になるのかもしれません。

そのような観点で(1)自然言語処理のアプローチを取るアウトライン抽出もかなり研究されているようです。また、(2)HTML5ではタグが幾分セマンティクスを持ったことで、アウトライン抽出が容易になっています。例えば、当サイトに「HTML5 Outliner」拡張を適用すると、図1のように見出しが抽出できます。

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図1.HTML5 Outlinerによるアウトライン抽出

これはあくまで見出しを階層的に並べただけですが、全体的な文書構造を知るという意味ではとても有益なのかなと思います。

しかしながら、このようなパワー・ブラウジング読書への取り組みは、「読む」という行為において、その内容を理解するという点で本当に有効なのでしょうか?

この点について、読書における速読の効果、特に速度と理解の関係に言及した論文がありました。次回以降、この論文をベースにパワー・ブラウジング読書とは何なのか、少しずつ紐解いてみたいと思います。