人工知能に本をおススメしてもらいました
はじめに
7月初め、人工知能を使って、SNSの内容からおススメ本を提案してくれるサービスが始まったというニュースがありました。
仕掛け人は近畿大学(が松岡正剛氏に依頼してデザインしたようです)。内容は、平たく言うと、SNS情報を解析して、近畿大学の図書館蔵書をおススメしてくれるサービスだそうです。
近畿大学には「ACADEMIC THEATER(アカデミックシアター)」と呼ばれる学術施設群があり、その中に図書館として「BIBLIOTHEATER(ビブリオシアター)」が設置されています。BIBLIOTHEATERには、約7万冊の蔵書が所蔵されており、この7万冊がレコメンド対象となるわけです。
ということで、doksyo-tekも試してみました。
診断
非常に簡単です。まず、ACADEMIC THEATERにアクセスし、自分のTwitterないしはFacebookアカウントと連携させれば、自動的に解析が始まります。doksyo-tekはTwitterアカウントを持っているので、Twitter連携で診断してみました。
以下、診断結果です。診断すると、レーダーチャートで特性がわかるほか、示された特性に近しい「適合本」を確認することができます。
総合結果
偏ってますねー。Twitterのつぶやきからは、誠実性・調和性・神経症傾向があまり見られない反面、開放性が非常に高く、次いで外向性もあるとの診断結果です。うーむむ。ただの、わがままな人?
で、適合本は以下の本でした。
まさかの松岡さんの本がおススメされました。読書的なつぶやきがメインなので、ある意味正しいレコメンドなのかもしれません。
続いて、各特性を見ていきます。
開放性
解説によると「どれだけ開かれているかを表す特性。知的好奇心の強さ、想像力、美の理解・興味、新しいものへの親和性、遊び心などに関係する。知能や創造性との関連も指摘されている。」だそうです。
知性と判断力が高い反面、推理力が低いと。事実の紹介はたくさんしているけど、そこからあれこれ推測する論考がなされていないということでしょうか。反省。で、おススメ本は以下です。
まったく読んだことのないジャンルの本です。歴史小説なのかな。これは気になりました。
誠実性
解説によると「まじめさを表す特性。自己統制力、達成への意志の強さ、計画性などに関係する。」だそうです。
誠実性は全般的に低いですね。どの特性も低く、こじんまりとしたチャートになっています。そんなに不誠実でもないと思っているのですが^^ おススメ本は以下でした。
誠実性が低い人におススメするのが、チンギス・カンの征服物語ですかー。なにやら意味深ですね。裏切りの連続でえらくなる、みたいな。いや考えすぎでしょうか。
外向性
解説によると「積極的に外の世界へ行動していく志向性を意味する特性。人間関係の社交性よりも広い意味で、活動的、上昇志向、エネルギッシュな傾向を表す。」だそうです。
外向性もこじんまりです。そして、偽善とアグレッシブが高め。誠実性と併せてみると、これはヤバいですね。ツイート内容変えたほうがいいかしら。おススメ本はこちら。
副題が「保守主義運動と政治的分断」なかなか激しそうな本ですね。これも読んでみたいです。
調和性
解説によると「やさしさに近い特性。利他的な度合い、嘘偽りない態度、控えめといった事が関係する。」だそうです。
お次は調和性。こちらもこじんまり。。人間味と男気が多少高いようです。物静か度が低い! 物静かだと思っていたのですが、意外です。おススメ本はこちら。

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ブルーバックスだ! 相対性理論の本。10歳からの、という枕詞に惹かれます。これは読んでおこうと思います(まずは積ん読ですね)。
神経症傾向
解説によると「敏感さ、不安や緊張の強さを意味する特性。これが高いと感情面・情緒面での不安定さやストレスを感じやすく、逆に低いと情緒が安定している。」だそうです。
最後は神経症傾向です。饒舌であり、自己中心的であり、そして短期。先の物静かが低い点も考慮すると、思いのほか、攻めるツイートをしているのかもしれません。自分ではまったく意識していなかったのですが。で、おススメはこちら。

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まとめ
ざっとまとめると、各カテゴリでおススメされた本のジャンルは以下のようになります。
- 総合結果 → 本の本
- 開放性 → 歴史
- 誠実性 → 歴史
- 外向性 → 主義
- 調和性 → 物理
- 神経症傾向 → 物理
開放性や誠実性を高めるにはもっと歴史的な要素の強い本を読み、逆に調和性や神経症傾向を高めるには物理のような理学要素の強い本を加えると良いという提案、と言い切るのは乱暴でしょうか。
今回の取り組みは、とても楽しい未来を想像させてくれるものでした。もちろん、SNS情報のみでは、まだユーザの個人的特性を的確に表現できる(=的確に読みたい本を推薦できる)とは言い難いものがあります。しかしながら、ちまたに本があふれる昨今においては、不完全でもおススメをしてくれる、人工知能コンシェルジュのような存在が求められているのかもしれません。
個人的には、AIのおススメよりも、出先でふと目についた、あるいは思いついた読みたい本を、ささっとリストにしてくれて、かつ、それを入手できるところ(本屋でも図書館)に来たら思い出させてくれるシステムのほうがほしいなぁ。