読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

『戦略読書』定点観測 - 2016年7月

はじめに

戦略読書・7月の定点観測です。

図1は、読書ポートフォリオ・マトリクス(PRM)を整理したものです。

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図1.読書ポートフォリオ・マトリクス(RPM

定点観測(2016/07)

上記RPMに基づいて実施した7月の定点観測結果です。

ビジネス基礎

なし

 

ビジネス応用

▼尾原 和啓著「ザ・プラットフォーム―IT企業はなぜ世界を変えるのか? (NHK出版新書 463)」(NHK出版)
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わかるようでわからない言葉、プラットフォーム(以下、PF)。個人や企業が参加することで価値を持ち、参加者が増えるとその価値も高まる、インターネットサービスのことを指す。GoogleAppleFacebookの超国家型PF、3Dプリンタ・教育・シェアリングエコノミーの新PF、そしてリクルートNTTドコモ楽天の日本型PFを簡潔に説明。一部抽象度も高かったけど、PFの概要は把握できたと思う。

 

▼ギンカ・トーゲル,小崎 亜依子,林 寿和著「女性が管理職になったら読む本 ―「キャリア」と「自分らしさ」を両立させる方法」(日本経済新聞出版社)
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タイトルからは想像できない、海外の研究事例や実験に基づくリーダーシップ論。これは超よかった。アメとムチによる管理はもはや時代遅れであり、「人に心を寄せて励まし、自発的な行動を起こすエネルギーを与えるリーダー」が求められる時代。引き出し力とでも呼ぶべきか。

 

非ビジネス基礎

▼佐藤秀峰著「海猿4」(佐藤漫画製作所/漫画onweb)
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「ありがとう・・・海ってこんなにキレイだったんだな・・・」ってフレーズだけ聞いてもなんのこっちゃでしょうが、響いたんです。このフレーズ。

 

▼渡辺 潤著「モンタージュ(1) (ヤンマガKCスペシャル)」(講談社)
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▼渡辺 潤著「モンタージュ(2) (ヤンマガKCスペシャル)」(講談社)
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▼渡辺 潤著「モンタージュ(3) (ヤンマガKCスペシャル)」(講談社)
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Amazonで無料だったのと、渡辺潤氏は代紋TAKE2が好きだったので読んでみようと思ったのがきっかけです。三億円事件というミステリアスな題材を怖面白く?表現していて、続きをまとめてドカッと読みたいと思った。

 

▼末次 由紀著「ちはやふる (2) (Be・Loveコミックス)」(講談社)
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いきなり高校生か~。中学生時代は回想シーンで出てくるのみ。でも、ストーリー展開上はそのほうがいいのかも。なんか、ハツラツとしてて読んでて元気になる。

 

▼和田 誠著「ことばのこばこ」(瑞雲舎)
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アナグラムや逆さ言葉など、数列的な美しさを感じることばたち。和田誠というと、挿絵が有名だけど、こんな本も出していたのか!とびっくり。ちなみに、本には「ことばの小宇宙」という高橋康也東大名誉教授との対談冊子がついている。お得だ!

 

▼佐藤 さとる,村上 勉著「だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1)」(講談社)
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コロボックルというかわいい言葉は初出なのかな?セイタカさんとおちび先生もかわいらしかった。なんだか胸のすく、とても読み応えのあるいいお話でした。

 

▼天久 聖一著「味写入門(あじしゃにゅうもん)」(アスペクト)
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味のある写真であるとともに、味わう技術をも定義する味写。Vowとも、梅佳代とも異なる、素人による偶然写真をクラウドで集めるあたりが、今風なのかな。

 

非ビジネス新規

▼穂村 弘著「絶叫委員会 (ちくま文庫)」(筑摩書房)
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ナマモノ的な「偶然性による結果的ポエム」。これは、ことばが持つ面白さをいかんなく引き出した名作だと言っていいと思う。穂村さんみたいに、ことばに繊細でありたい。そうしないと、キッスにも反応できないくらい、OSが古くなっちゃうかも。

 

▼魔夜 峰央著「このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 (Konomanga ga Sugoi!COMICS)」(宝島社)
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この感覚、1980年代だと普通なのかな。。今読むと、何気に表現が過激で驚く。最後がしり切れとんぼというか、なんだかアレこれで終わり?という感じがあったが、全体的に変わった世界観が出てて印象的なマンガだった。

 

分析

以下は、7月のRPM分布と、累積(1~7月)のRPM分布です。

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図2.7月のRPM分布

 

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図3.累積のRPM分布

 今のところ、1~7月の累積で96冊・221時間を読書に費やしています。予測値は年間165冊(月平均14冊)、総読書時間379時間(月平均31.6時間)であり、目標の100冊・400時間に対して、読書時間が足りない感じです。

7月はあまり読書時間を捻出できませんでした。原因は仕事が忙しい→疲れる→通勤電車でボーっとしてしまう→読まない、という悪循環スマホはつらつらと眺めるのに、読書はできない。改めて、読書が持つ「読み始め」の能動性の壁(と勝手に呼んでいる。要は受動的メディアでないので、とっかかりは自分ではじめないといけない部分のこと)の高さを感じるひと月でした。

では、6月から導入したaudibleはどうか。元々、定常的に音楽を聞かないのと、先月もお伝えしたとおり、聞き流してしまって何の話かロストする問題のせいで、あまり活用法が見いだせていません。

来月(といっても、もう8月も中旬を過ぎていますが・・)は初心に帰って、読書を楽しんでいます。夏休みも充実の読書ができました。このあたりの話は、次回!あ、あと半年の振り返りもしとかなくちゃ。

参考