『戦略読書』定点観測 - 2016年6月
はじめに
戦略読書・6月の定点観測です。
図1は、読書ポートフォリオ・マトリクス(PRM)を整理したものです。
定点観測(2016/06)
上記RPMに基づいて実施した6月の定点観測結果です。
ビジネス基礎
なし
ビジネス応用
現代の図書館の状況と課題を非常にわかりやすく解説。特にネットが発達している昨今、図書館はどのように知的創造に寄与できるか、という視点は知っておいて損はないし、なにより図書館をもっと活用してやろうという気がしてくる。著者の方とお話ししてみたいなぁ。
非ビジネス基礎
▼新明解国語辞典,梅 佳代著「うめ版 新明解国語辞典×梅佳代」(三省堂)
市井の人々が見せるオモシロな瞬間を切り取った写真集。でも、ただ面白いだけじゃない。梅佳代さんの愛情というか、人が好きなんだろうなーって気持ちも伝わってくる、あったかい写真集。ずっと手元に置いておきたい。
いわずと知れた三谷幸喜さんのエッセイ集。三谷さんのきめ細やかな作品がどんな日常から生まれてくるのか、なんとなく垣間見ることができるような、できないような。それはさておき、この人、本当に奥さんのこと大好きなんだなーってことも伝わってくる、ナイスエッセイでした。
▼こうの史代著「夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)」(双葉社)
わかりやすいがゆえに、とてつもない難題を突き付けてくる、骨太なマンガでした。短いのに、心にずっしりとのしかかるもの。そして、それは過去から現在まで、脈々と受け継がれていく。さて、我々はどうしたものか。夏も近いし、真剣に考えてもいいと思った。
▼末次由紀著「ちはやふる(1) (BE・LOVEコミックス)」(講談社)
かるた、百人一首って中高生の頃に授業でやったのみで、ほぼまったく覚えていない。競技かるたってジャンルもあまり意識したことなかったけど、これを読むとエキサイティングだし、百人一首もっと知りたくなってきました。2巻以降も読むぞ~。
▼NHK「地球イチバン」制作班,影嶋 裕一著「WHAT IS SAPEUR ?――貧しくも世界一エレガントなコンゴの男たち」(祥伝社)
TVスピンアウト本。紙質が若干残念だったけど、コンゴ・サプールの超絶カッコイイ、気高い見栄っ張りな感じを十分に堪能することができた。ここまでくると、もはや哲学者のようだ。
▼石川 文洋著「カラー版 ベトナム 戦争と平和 (岩波新書 新赤版 (962))」(岩波書店)
ベトナム戦争におけるアメリカの誤りは、「近代兵器の威力を信じすぎたこと」「アメリカの援助に支えられた政権が民間人の支持を得られなかったこと」「外国支配に対する反発と民族独立の精神の底力を見抜けなかったこと」。地獄の黙示録も併せて見ておきたい。
▼朝日新聞出版著「サザエさん 2016 春 (週刊朝日増刊)」(朝日新聞出版)
朝日新聞のサザエさんに関するコラムや、長谷川町子さんとサトウサンペイさんの対談等もついており、雑誌とは思えないお得さ!永遠の四コマ漫画だよなぁ。
非ビジネス新規
▼勝間和代著「読書進化論 人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか(小学館101新書)」(小学館)
読書感想文を書いてみたので、「書評『読書進化論』」をご参考になさってくださいませ。
▼筒井康隆,安原義人,ことのは出版著「日本以外全部沈没」(ことのは出版)
Audibleのコンテンツ。電車で聞きました。思いのほか、テンションが高くて、朝からハラハラしてしまった。
▼ヒュー・ロフティング,河合 祥一郎,KADOKAWA,寺田 ちひろ著「寺田ちひろ朗読「新訳 ドリトル先生航海記」」(KADOKAWA)
▼ヒュー・ロフティング,河合 祥一郎,KADOKAWA,川田 裕美著「川田裕美朗読「新訳 ドリトル先生アフリカへ行く」」(KADOKAWA)
Audible版。久しぶりにドリトル先生でも聞いてみるか、と聞いたものの、登場人物とかアウトラインとか、読み返すことができずに話が進んでいくので、けっこう頭を使いました。これ、どうせならフルバージョンで聞いてみたいなぁ。何時間くらいで消費できるんだろ。
▼遠藤周作,遠藤周作,ことのは出版著「初夏の雑談」(ことのは出版)
Audible版。大好きな遠藤周作の肉声、初めて聞いた。予想より、ずっとダンディでかっこいい声だった。なんか、あったかいユーモアがあって、でもユーモアだけじゃなくて、物事を深く考えているからこそ紡ぎだされる言葉が、とてもよかった。これはいろいろな方に聞いてもらいたい雑談でした。
分析
以下は、6月のRPM分布と、累積(1~6月)のRPM分布です。
今のところ、1~6月の累積で84冊・190.5時間を読書に費やしています。予測値は年間168冊(月平均14冊)、総読書時間381時間(月平均31.75時間)であり、目標の100冊・400時間に対して、読書時間がやや足りない感じです。
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doksyo-tekの場合、通勤電車の中で読書することが多いのですが(どう読書時間をひねり出すかは、「『戦略読書』実践記(1)」で考察)、どうも、耳で聞く行為に慣れていないようで、ついついぼんやりと聞き流してしまい、何の話をしているのかわからなくなることもしばしばでした。
しかしながら、新たな読書の一手法としてぜひとも使いこなしたいジャンルなので(両手が使える、耳を鍛える等)、引き続き、使いこなし術を追求してみたいと思っています。
さて、『戦略読書』をはじめてから半年が経ちました。半年記については、これまでの統計を見ながら、別の機会にまとめてみたいと思います!