読書術本の読書術を解析する(1)
2015年も残すところ3か月を切っておりますが、とある書店でブルータスの読書特集を見つけました。
▼マガジンハウス著「BRUTUS (ブルータス) 2015年 1/15号 [雑誌]」(マガジンハウス)
著名人による読書の楽しみ方、書店員による2015年の課題図書など盛りだくさんの内容なのですが、一番気になったのは、ライター速水健朗氏による「読書術本の読書術」というレポート。修辞的にフクザツ感を醸し出していますが、まさに最近私がハマっていた「読書術」分野を俯瞰した記事になっていました。
速水さんによれば、読書術に関する本は、横軸にノウハウ⇔教養、縦軸に乱読⇔精読とする4象限にマトリクス化できるとのこと。そして、各象限に代表的な読書術本をプロットしていき、その解説を加えています。
本当に簡単にまとめると、以下のようになります。
- 教養:知識は古典の名著にあり
- ノウハウ:とにかく即戦力・実用
- 乱読:リベラルアーツ(一般的な教養)を得るためにとにかくたくさん読む
- 精読:一冊の本をいかに深く読み解くか
なるほどなぁと眺めていたのですが、これをなるべく客観的に計算したら、どんなマトリクス(あるいはマップ)になるんだろうか、という疑問がわいてきました。例によって中途半端感は否めないのですが、以前青空文庫を整理した時のツールを使って、お手軽に傾向を掴んでみようと思いました。
前処理
本は特集記事で選定済みの30冊(次のデータ内訳参照)。各本のAmazonレビューデータ(書評)を手作業でテキストファイル化、最後に全部入りファイルを生成。
AmazonのレビューデータってかつてはAPIが用意されていたみたいなんですが、今はiframeが返ってくるだけ…。データ作りはけっこうしんどかったです。
データ内訳
対象は以下の30冊です。
解析
テキスト解析用フリーソフトのKH Coderを使用し、前処理した全部入りファイルを用いたRによる多変量解析を実施しました。
手法
(1)語の関係性(共起ネットワーク)、(2)語の分類(階層的クラスタ分析、多次元尺度構成法、自己組織化マップ)を実施。これも青空と同様ですが、今回、自己組織化マップについては1000回・2000回・3000回学習させてみました。
さてさて、けっこう長くなってしまったので、解析結果と考察は次にアップします。ということで今回はこれまで!