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読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

書評『読書介助犬オリビア』

書評

はじめに

アニマルセラピーでは、「犬は病気の人の苦痛を和らげるのに役立つ」と考えるそうです。それをヒントに、本を読まない子が犬に本を読んであげることで、読書の楽しみに気づいてもらうという活動があります。

それが、読書介助犬を利用したR.E.A.D.(Reading Education Assistance Dog)プログラムです。この本では、看護師のサンディと読書介助犬リビアの交流を通じて、R.E.A.D.プログラムができる過程が描かれています。

読書介助犬オリビア (講談社青い鳥文庫)

読書介助犬オリビア (講談社青い鳥文庫)

 

犬とセラピー

読書介助犬という存在を知らなかったのですが、R.E.A.D.の読書介助犬として活躍するためには、以下の2項目をクリアする必要があるそうです。

  1. デルタ協会のペットパートナーズテストの21項目に合格する
  2. R.E.A.D.の読書介助犬として、必要な要素(温厚、静かな環境でも緊張しない、等)を評価する

以下、参考サイトです。

knots.or.jp

japdt.com

また、読書介助犬の、より詳細な役割や効果については、以下の論文にまとめられていました(読めていませんが、面白そう! pdfです)。

leRoux, Marieanna C., Leslie Swartz and Estelle Swart, "The Effect of an Animal-Assisted Reading Program on the Reading Rate, Accuracy and Comprehension of Grade 3 Students: A Randomized Control Study", in Child Youth Care Forum, 43L655-673(2014).

所感&気になったフレーズ

R.E.A.D.プログラムができあがる過程で、犬を媒介として、子どもたちと本がどのように対峙して、そしてどのようにつながっていくのか。いくつかの気になるフレーズとともに語られていました。

当時のプロジェクトのダイナミズムと言いますか、サンディたちの息遣いが伝わる、とてもよい本だと思いました。大人も、読むとよいよ。

以下、お気に入りフレーズ4選。本当は3選にしたかったのですが、絞れませんでした~。

p50
いまの子どもたちはほとんど本を読まない。本を読むのをいやがる子も多いと聞く。でも、犬と一緒ならどう? ひとりで読まなくても、かわいい犬と一緒なら、読書の楽しさを感じることができるんじゃない?

p107
自分の年齢よりレベルが低い本を読むことは、屈辱的なことではない。大人だって絵本も読むし、児童書も読む。なにもむずかしい本を読むことだけが読書ではない。まずは、本の世界に入り込める想像力を身につけることが、読書好きになる最大のポイントだ。

p146
子どもはいつも、親や教師、大人たちから命令されてばかりいるもの。犬は、人間の言葉や気持ちにとても素直に答えてくれるわ。その犬に接することで、子どもたちの中に"小さな名誉"が生まれるんじゃないかしら。だれかが、無条件で自分に寄りそってくれるなんて、大人だって感激するじゃない。

p169
ぼくたちはいつもだれかに愛されること、なにかをしてもらうことばかり望んでいるけど、本当に大切なのは、自分がだれかを愛しいと思えること、そしてだれかのためになにかしたい、と願う気持ちなんだ。