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読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

動く読書 - Kindle in Motion -

はじめに

AmazonでしれっとKindle in Motionなる取り組みがスタートしているようです。

www.amazon.com

気になったので、さっそく買ってみました(227円の出費!)。「in Motion」って何かというと、リンクのサムネイルを見てわかるとおり、要は表紙とか挿絵が動くってことです。

▼Edgar Allan Poe,M.S. Corley著「Darkness There: Selected Tales by Edgar Allan Poe [Kindle in Motion]」(AmazonEncore)
B01G1YIMEO

サポート状況

Kindle in Motionの「Learn more」によれば、今のところ、以下のデバイスやアプリでサポートされているようです。

アプリ

タブレット

さすがに、電子ペーパー型の端末では動き系はキビシイか。以前、高い電圧をかけて電ぺ上の絵を高速に動かすという荒業を見たことがありますが、それじゃお話にならないですもんね。。

コンテンツの再生まで

今回は、Kindle for Android (スマートフォン)の、Version 7.3.0.45で実行してみました。

ダウンロード重い!と思ったら、300MBもある。。普通の書籍が数百KB~数MBであることを考えると、やはり動き系はオーバーヘッドが大きいな、と。自宅のWi-Fi環境でダウンロードしたのですが、何回か失敗してしまいました。。トホホ。

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で、コンテンツを再生してみると、最初に「Two ways to Read」だよ~と教えてくれます。つまり、Motionでも、テキストベースでも、どちらでも選べるようになっているよ、と。

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アプリ右上の「Aa」ボタンを押下すると、輝度やフォントを選べるメニューが出てくるのですが、そこで「メディアを表示」が選べるようになっていました。オンでMotion、オフでテキストベースになります。

ちなみに、「メディアを自動再生」はオンだとそのページがレンダリングされると同時に再生開始、オフだと、ページ内の再生ボタンを押下することで再生される仕様になっています。

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メディアの自動再生をオフ。▶を押すと再生される。

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あと、Motionと直接関係ないですが、Word Wiseが選べて新鮮でした(いつも日本語コンテンツしか読まないからね)。

表示する量を調節できるようで、英語の勉強もかねてたくさん表示させるのもありかと思いました(読む、というより、勉強するに近い感じになっちゃうけど)。

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作り方(たぶん)

さて、このKindle in Motion。どんな作り方なのかなぁと、当該コンテンツをいろいろいじってみました(詳細は省くよ!)。

これ、察するに、おそらくSVGCSS AnimationsでMotionをまかなっているんだと思います(JavaScriptも使えたはずですが、使ってないようです)。あくまで、おそらくですが。

こんなアツい議論も展開されています。

www.mobileread.com

kindleって元々はmobi形式で、これにDRMがかかるとazw形式になり、更に、最近では表現拡張したazw3形式(通称kf8)があります。いろいろ混在していてフクザツなのですが、Motionは、このazw3形式にアニメーションを仕込んでいるようです。

ただ、一言でCSS Animationsと言っても、様々なバリエーションがあります。つまり、通常の最新版はいわゆるワーキングドラフト版を指しますが、日進月歩で改良が加えられているエディターズドラフト版なんかもあるわけです。

そのため、Motionではどのレベルまで許容されているのかは把握しきれませんでした(現行のアプリで、どのスタイルが適用可能かは、レンダリングエンジンの描画性能に依存するし)。

まとめ

こっそりスタートしている、Kindle in Motionにスポットを当てて、ちょこっと調べてみました。

このコンテンツ、SVGCSS Animationsで動きを実現してるかもしれません(委細は不明なので、みんなで寄ってたかって何が再生できるのか試すのも面白いかもしれません)。

ちなみに、サンプル版ではMotionの再生はできないようですので、試してみたい方は、購入するか、あるいはKindle Unlimitedで探す(一部のMotionコンテンツはunlimited対象らしい。未確認)といいです。

さて、肝心のMotionが読書に与える影響ですが、これは、どうなんでしょうかね。

既に数年前にAppleiBooks authorをリリースし、動きのある、インタラクティブな出版物を提案しています。が、世の中の反応はご存じのとおりです。

Appleもテンプレを用意したり、オーサリングツールを用意したり、様々な支援策を打っていたようですが、提供者側から見て、コンテンツの制作コストに見合ったインタラクションを、まだ見出だせていないのだと思います。

反対に、利用者側からみても、何度か取り上げていますが、読書におけるインタラクティブはノイズになりうる可能性があります。この点も十分加味しておく必要があるかと思います。

大きくまとめると、インタラクションを有する読書体験は、提供者側からみても、利用者側からみても、それぞれ不十分な点が多く存在するため、まだまだ研究の余地があるのではないかと思います。

この辺りを考慮した、目からウロコな書籍を作ってみたいものです。