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読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

パワー・ブラウジング読書

パワー・ブラウジングを促進?

『ネット・バカ』によれば、ウェブページは素早く・飛ばし読みされるもの(パワー・ブラウジングされるもの)でした。ならば、ウェブページをより簡潔にサクサク読むことができないものか、と考えたのですが、世の中にはいろいろな取り組みがあるようです。

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Instaglossは、文章中の要点箇所は濃い色で、それ以外は薄い色で表示してくれます。濃い色を読めば飛ばし読みできるというわけです。

サイトの紹介によれば、目は周辺視野から関連する言葉を選択しながら文字を追っており、視覚的にメリハリをつける(文字に濃淡をつける)ことで、より選択しやすくなるはずだ、と。何をもってメリハリとするかは秘伝のようですが、確かに素早くサクサク読めそうです。

また、読み飛ばすというより、読み間違えを減らすことで早く読めるよう志向したツールもありました。

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BeeLine Readerは、行単位で色をつけることで、視認性が高まり、行の読み忘れを軽減してくれるそうです。試してみたところ、読みづらさはありましたが、長い間使用していると慣れてくるとか。

間違えずに早く読ませるという視点では、目を動かさずに読ませてしまうというSpritzもあります。これはコロンブスの卵的で非常に感動したのを覚えています。

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パワー・ブラウジングと理解

これらは、ウェブページの内容を素早く把握するために作られたツールですが、内容の大掴みをするには、全体を把握し、それから詳細に進むというプロセスが大事な気がします。本における目次や前書き、論文における抄録などはまさに全体把握のための仕掛けなのだと思います。

だとすれば、ウェブページから、全体把握情報(内容の大筋、アウトライン)を抽出できれば、大掴みも容易になるのかもしれません。

そのような観点で(1)自然言語処理のアプローチを取るアウトライン抽出もかなり研究されているようです。また、(2)HTML5ではタグが幾分セマンティクスを持ったことで、アウトライン抽出が容易になっています。例えば、当サイトに「HTML5 Outliner」拡張を適用すると、図1のように見出しが抽出できます。

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図1.HTML5 Outlinerによるアウトライン抽出

これはあくまで見出しを階層的に並べただけですが、全体的な文書構造を知るという意味ではとても有益なのかなと思います。

しかしながら、このようなパワー・ブラウジング読書への取り組みは、「読む」という行為において、その内容を理解するという点で本当に有効なのでしょうか?

この点について、読書における速読の効果、特に速度と理解の関係に言及した論文がありました。次回以降、この論文をベースにパワー・ブラウジング読書とは何なのか、少しずつ紐解いてみたいと思います。