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読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

Kindleの読書環境設計(2)

前回は、Kindleの読書環境最適化について、いくつかの機能をピックアップしてその効果と改善ポイントを表にまとめてみました。今回はその詳説編です。

表1. Kindleの機能と効果

機能効果改善ポイント
(1)ページめくり 読書没入感の演出 新しいUIの導入
(2)ブックマーク共有 マルチデバイス利用 (今のところ思いつかない…)
(3)読書スピードの計算 読了推定 読み終え時間提示による心理的圧迫感
(4)ハイライト メモの一覧性 他人との有効な共有手法
(5)X-Ray 概念、人物、場所、出来事といった因子による横断的な把握 文章要約!?

 (1)ページめくり

ぺーじめくりは、いわゆる紙の本のインタフェースの模倣です。これは、紙の本に慣れ親しんだ人にとっては最強の没入感を与える読書デザインだと思います。

しかしながら、このインタフェースは未来永劫必要なものだとは思っていません。有名な話ですが、iPadで遊ぶことに慣れた赤ちゃんに雑誌を与えたところ、間違えて雑誌をピンチイン/アウトしたり、スワイプしたりした、という映像があります。

www.youtube.com

これを見ると、ディスプレイを操作することで読書する世代(デジタルネイティブ世代)にとって、めくるという行為が何を意味するのか考えさせられます。もしかすると、読むこととめくることは、まったくリンクしない所作であり、想像のできない「読むUI」が出現するのかもしれません。実際、Kindleアプリでは紙がめくれるエフェクトはついておらず、横にスライドすると版面が切り替わるUIを採用しています。そういえば、先日の縦スクロール(参考:エイプリルフールとディスプレイ)も新しいUIですね^^

(2)ブックマーク共有

どこまで読んだか、「しおり」をデバイス間で共有する機能です。Kindleはユーザが読書に集中できるように、マルチデバイス環境を作り上げています。朝の通勤・通学時にはスマホKindleアプリで読書し、昼休みにデスクトップのブラウザ(Kindle Cloud Reader)で読書し、夜には専用端末で読書する。どこまで読んだか、というしおり情報をサーバ側で管理することによって、ユーザデバイスに依存しない、一気通貫した読書体験を提供しています。

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図1.ブックマーク(Android

(3)読書スピードの計算

Kindleユーザーズガイドによれば、読書スピードの計算については以下のような記述があります。

読書の進捗確認機能では、独自のアルゴリズムを使用して過去および現在のお客様の読書速度から、その章や本を読み終えるのに必要な時間を計算します。お客様の読書速度はご自身のKindleにのみ保存され、Amazonのサーバには保存されません。読書中に、メニューから「読書の進捗状況」を選択して、進捗状況を測るために使用するオプションを選ぶことができます。オプションには、本の中の位置、章の残り時間、本の残り時間などがあります。

ユーザ個々人の読みのスピードをリアルタイムに計算し、今いるパラグラフや、本全体が何分で読み終わるのか、その目安がわかるのは忙しい現代人にとっては非常にありがたい機能だと思います。紙ではこうはいきませんよね。

計算手法は独自アルゴリズム!これは気になる~!ところです。本には読みやすい本と読みづらい本があるのですが、めくりの速度やページを往来する頻度から計算してるのでしょうか。いずれにせよ、詳細を知るには特許などにあたってみる必要があるかもしれません。

改善点と言いますか、懸念点と言いますか、この機能について気になる点としては、読了時間が数値化されると、私のようなチキンな人間はどうしてもその時間で読み終えることができるのだろうかハラハラしてしまうのです。つまり、読書を楽しむはずが、読了時間という制約が心理的な圧迫要因になる。。。考えすぎかもしれませんが、この点は何らかの改善のヒントになるかもしれません。

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図2.読了推定(左下。非表示や位置表示も可能)

少し長くなったので、残りとまとめは次回にポストします。

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