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読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

書評『本棚にもルールがある』

総括1

本書は「実践的・自己プロデュース論」だと言えます。本棚づくりについて書かれていますが、その本質は「本棚を通じて、自分をどう見せるのか、自分の興味はどこに向いているのか、について客観視すること」であり、本棚のパフォーマンスを引き出すための様々な仕掛けが記されている本です。

総括2

そのため、内容は具体的で、どのような形状の本棚がよいか、本をどのように分類して並べるべきか、そしてどのようなタイミングで入れ替えればよいか、といった本棚を活性化するためのワークフローに始まり、本の買い方、読み方、評価手法(書評)などにも派生して言及しています。

エピソード1

例えば、本書では以下のような一節があります。

メインの本棚に何を登録し何を戦力外とするか、スポーツチームの監督のように采配を振るって、本棚のコンディションを整え続けよう。

本棚のコンディションを整え続けるために、「三つの本棚」では、次の3種の本棚を用意することで、本棚という空間的に限られたスペースを活性化するワークフローが紹介されています。役割の異なる本を工程別に管理し、物理的に本を動かして活性化していくという発想です。

  1. 新鮮な本棚(買ったばかりの本を入れておくスペース)
  2. メインの本棚(読み終えた本を入れておくスペース)
  3. タワーの本棚(リファレンス用の本を入れておくスペース)

エピソード2

また、本書には巻末にHONZ特製「Webで読まれる書評の書き方」も付与されています。HONZとは、筆者が主催する書評サイトで、本を読むのにとても参考になるサイトです。そこで扱われている書評のノウハウをコンパクトに説明しており、実はこの書評を書く際にもかなり参考にさせてもらっています。ここで述べられているポイントは、

決まった構成の書評を、個性のない文章で書いていたら、誰が書いても同じになる。だからといって、世の書評ブログが同じ文章ばかりになるかというと、決してそんなことはない。それは、本章でも触れた通り、書評の対象としてどの本を選ぶかに個性が表れるからだ。ここが、唯一にして最大の個性の発揮のしどころだ。

つまり、書評は手続きがはっきりしているので、誰でも書ける。その中で違い(個性)を出すなら、どんな本に対して書評するか、ということになるのですね。

感想(まとめ)

本書を通読すると気づくのですが、話をイメージしやすくしている要因の一つは、リアルに活躍する方々やサービスが多く登場することなのだと思います。ブックディレクターの幅允孝氏、翻訳者の柴田元幸永井淳/戸田裕之氏、紀伊国屋書店コンシェルジュの本棚、読書メーターブクログ、HONZ、、等々、挙げればきりがありませんが、「想像できるディテールの明示」がうまいなぁと思いました。そして、想像できるからこそ、自分も本棚づくりという自己プロデュースにチャレンジしてみようか、という気にさせてくれる本なのだと思いました。

オマケ

HONZ特製の書評の書き方(総括1→総括2→エピソード1→エピソード2→感想→著者→挿絵や装丁→想定読者→まとめ)に則ってみようと試みましたが、後半は完全に息切れして、総括1→総括2→エピソード1→エピソード2→感想(まとめ)となってしまいました。。まだまだ修行が足りません。。

成毛眞著「本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか」(ダイヤモンド社)
4478029393

 

【追記 2015.4.26】

著者である成毛眞さんの記事が各所に載っていましたので、追記します。インタビューベースなので、本のエッセンスがコンパクトに伝えられている良記事が多いですね。

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