読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

村上さんのところ

村上春樹さんが期間限定で読者との交流サイト「村上さんのところ」を開いているみたいです。ニュースを読んだら、2015年1月15日オープン。知らなかった!

裏方は新潮社さんで、サイトを閉じたあとに書籍化する、のかな。Webで集客して、それを書籍購買へとつなげていく。村上春樹さんというビッグネームだからできることかもしれませんが、ユーザ体験を上手に設計した、とてもいい試みですね。本が出たら買ってしまいそうです。

サイトは、メールで質問を募集し、それに村上さんが一件ずつ答えていく、というとてもシンプルで、とても狂気的な取り組みになっているようです。村上さんは挨拶文の中で「神宮球場の満員の観客ひとりひとりと握手をしていくようなもの」と例えており、毎日とてもたくさんの返信をアップしてくださっています。

彼のしびれる言い回しを紹介したかったのですが、コンテンツの無断転載は禁じられていますので、以下感想文ということで。

メールへの返信は短文なのですが、読んでいると村上さんの読書に対する考え方がわかって非常に参考になります。

例えば、「本好きは世界の5%いればなんとかなる」という考え方。Worldmeterによれば、2015年3月25日時点の世界人口は約73億人。5%だと3億6500万人になります。アメリカ人よりも少し多いくらいでしょうか。そう言われると、本屋さんへの返信にもあるように、毎年8万冊も新刊を出さずに、3億6500万人の本好きにじっくり繰り返し読まれる本が増えるといいなぁと思います。新刊による自転車操業ならぬ、増刷によるじっくり書籍環境の醸成。

また、どの本を読むべきか、おススメは何か、に対する答えは「ご自分で選んでください」とのこと。本との出会いは自分が手を伸ばすことに意味がある、と。ご自身でも、書評や映画評のたぐいは読まないようにされているようです。なるほどそういう考えもあるのかと思いました。私は書評サイトも、雑誌の書評欄も、Amazonのコメントも大好きで、常に参考にしたい。書評を頼りに購入して大失敗だった本もたくさんありますが、読みたいなと思わせる文章はなぜか刺激があって好きなのです。

さて、せっかくなので一番お気に入りの村上さんの本を紹介して、サイトが閉じる前に慌てて残りの交流を読むことにしますか。

村上 春樹,佐々木 マキ著「ふしぎな図書館」講談社
4062127393