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読書的な何か。

読書と読書にまつわるテクノロジー、雑記など。

読みやすさって

読書と密接にかかわる要素として、読みやすさがあると思います。読みやすさ。ちょっと硬い表現をすれば可読性ですね。可読性の高い文章、などと言われると、とても読みやすく、読書もスラスラ進みそうな印象を持ちます。

ところで、この可読性っていったい何者なのでしょうか。

Wikipediaによれば、可読性には「自然科学」「文章」「プログラミング」「タイポグラフィでそれぞれ定義があるようです。例えば「文章」の項目の説明を読むと、

読みやすさとは、文章と読者の相互作用の結果である。読者において読みやすさに影響することとして(1)事前の知識、(2)読むスキル、(3)興味、(4)動機、が挙げられる。文章においては(1)内容、(2)文体、(3)デザイン、(4)構造、が影響する。デザインには、媒体のレイアウト、イラスト、書体や色などが含まれる。

とあります。うーむ。難しい。。この定義、工学的な観点でみてみると、とてつもなく難しい定義であることに気づきます(別に工学的にみなくてもいいのかもしれませんが、本ブログは、一応読書とテクノロジーについて書きたい部分もありますので・・・)。

 「読者において読みやすさに影響する」因子は総じて定量化しづらい(いやできない?)ものばかりです。事前の知識? 読むスキル? 興味? 動機? 最近は、人の興味について、視線や脳波を計測することでオボロゲながら、もしかしたらこんなことが気になってるかもしれない~、ということが言えそうな段階ですので、これらの因子に対してシステマティックな答えを用意するのは、とてもとても困難なことだと思います。

では、「文章における」影響因子はどうか。こちらもあいまいで、捉えどころがないものが多いなぁと感じています。ただ、読者における影響因子と比べると、多少考えやすい面があるかもしれません。例えば「内容」自然言語処理手法と語彙データベースを用意することで文法規則と言葉を解析し、知識情報を抽出できるかもしれません。それがどう読みやすさと関連するのか、という大事な点は不明ですが。。。また、「デザイン」も、いわゆるLegibility(判読性?)と呼ばれる、フォントの種類や文字サイズ、行間や組み方といった文字組版的な要素を追求することで、文字を判別できるという点において定量的な知見を得ることができそうです。

私がここで注目したいのは、ずばり「構造」です。

ロジカルシンキングをかじった方はご存知かと思いますが、プレゼンテーションで主張したいことを組み立てるフレームワークの1つに「ピラミッドストラクチャー」があります。ピラミッドストラクチャーは、底辺に事実を並べられ、その上に理由が積み上げられ、さらにその上に事実と理由から導出される提案が積み上げられる、という構造を持っています。

この構造をスライド化したり、あるいは文章化することで、事実→So what?)→理由→(So what?)→提案、あるいは、提案→(Why so?)→理由→(Why so?)→事実、というとてもロジカルな「内容」に仕立てることができます。

ピラミッドストラクチャーのみに着目しているわけではありませんが、文章にはこのような構造が必要だと思うのです。構造化されていれば、ロジックのみならず、コンテキストやストーリーの生成、あるいは文章の要約や翻訳といった、様々な文章理解支援につながります。理解(支援)ができるということと、読みやすいということは、その関係性がまだまだ不明瞭ではありますが、少なからず関連があるのではないかと思っているわけです。

ちょっと長くなってきたので、今回はこのへんで。この話題は、今後も突き詰めて考えて行きたいと思います。なお、可読性については、企業や大学でも研究が行われています。この点についても、また別途書いてみたいと思っています。

【追記 2015.3.19】

本来ならば、読みやすさについて書かれた本や、文章の構造について書かれた本について紹介すべきなのでしょうが、ちょっと整理してご紹介したいので、まずは周辺のおススメ本を付けてみます。

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Steven Bird,Ewan Klein,Edward Loper,萩原 正人,中山 敬広,水野 貴明著「入門 自然言語処理」(オライリージャパン)
4873114705

 

モリサワ著「文字組版入門」(日本エディタースクール出版部)
4888884048