『戦略読書』定点観測 - 2017年4月
はじめに
もう6月。。毎月の定点観測が遅れ気味で、巻いております。いや巻いているつもりです。ということで、4月分です。
下記は、今年の読書ポートフォリオ・マトリクス(以下、RPM)です。昨年の実績値を参考に、年間200冊・読書時間460時間、マトリクスは横軸が「鍛錬⇔趣味」、縦軸が「基礎⇔応用」にアップデートしました。
図1 2017年版のRPM
定点観測
趣味-基礎
ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~ 1 (MFコミックス ジーンシリーズ)
- 作者: ハシモト,松駒
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2014/01/27
- メディア: コミック
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コンビニの小ネタを風変わりな登場人物と共に紹介するマンガ。1~2ページで1ネタを刻んでいく、刻み方が新しくて面白かった。でも、これ複数巻持つのかしら。なんか1~2冊で飽きてしまいそうな…。
ジャズを聴いてみたくなるマンガ。熱くて熱くて、面白い!完結したようなので、これは一気に最後まで読みたい。ちなみに、ジャズ初心者のdoksyo-tekは、TSUTAYAで入門CD借りました。
読み切りだけど、読み応えがあるし、話の筋がしっかりしているし、とても面白いマンガだった。TSUTAYAの面白いマンガに推薦されているのも、かなり納得。これは読んで損ないです。
Amazonで格安だったことと、作画が池上遼一だったことで、まとめ買いしちゃいました。今月は1冊だけ。
日本とユダヤは同じ祖先のもとに進化してきたとする説に基づく、SFのようなストーリー。新選組が活躍する時代に、こんなことを夢想する人たちがいたとしたら。。ロマンを感じます。
近い未来における、人間とヒューマノイドのあり方を説くマンガ。人間とは何か、考えさせられる。様々なトピックスを盛り込んでいるとは言え、各話深く掘り下げることができるので、1話読み切りなのがもったいない気がする(まぁ単に長編が好きだということもあるんだけど)。
最後まで怖かったけど、完成度がとても高いマンガだった。完全版ではどうしてカエル男が生まれたのかも描かれているらしい。完全版、ちょっと、いやかなり気になる。読みたいなぁ。
趣味-応用
地図好きにはたまらない一冊。古地図からVR/ARまで、地図にまつわるトピックスがちりばめられているので、様々な視点・切り口から地図に触れ親しむことができる。読んでて本当に楽しいです。
鍛錬-基礎
なし
鍛錬-応用
ナショナルジオグラフィックの絶滅危惧種写真集 (SPACE SHOWER BOOks)
- 作者: ジョエル・サートレイ
- 出版社/メーカー: スペースシャワーネットワーク
- 発売日: 2013/06/24
- メディア: 単行本
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人間の居場所は、進化学的に見ても人間以外の全ての生物の存在の中にある。お互いの存在をなくして進化はありえないからだ。
だからこそ、学んで、議論していかなければならない。アメリカには「絶滅の恐れのある種に関する法(ESA:the Endangered Species Act)」がある。日本にもそれに該当する法を考えていくべきなのではなかろうか(もうあるのかな)。
分析
以下は今月のRPMです。棒グラフが冊数、折れ線グラフが読んだ時間です。今月は「鍛錬-応用」、「趣味-基礎」、「趣味-応用」が同じ読書時間でした。
いかんせんマンガが多い! そして、読書形態(紙、図書館、スマホ、専用端末)は紙が強かったです。スマホは他のメディアで利用し、専用端末はあまり利用せず、といったところが要因かと思います。
続いて、累積のRPM分析です。
冊数では「趣味-基礎」、時間では「鍛錬-応用」が増えてきています。冊数については、短時間で読めるマンガをカウントできる「趣味-基礎」が群を抜くのは納得です。
一方、「鍛錬-応用」の時間が大きいのは、無意識に自分の触手がそのカテゴリ(つまりビジネス、科学、歴史、情報系の専門書)に伸びていることの表れかと思います。
なるべくいろいろなジャンルを手に取りたいと思ってはいるのですが。。。
次に読む本
戦略読書のキモは、他人と差別化するために、他人と違う本を戦略的に読みこなしていくことです。そのために考えた作戦が、組み合わせて自分が選ばない本を選んでみるというものでした(図4参照)。
この仕組みに則り、今回も本を選んでみました。
①キーワード(直感で選んだ。タイトルからのキーワード抜粋が多め)
コンビニ、ジャズ、ファンタジー、読み切り、SF、新選組、AI、ヒューマノイド、サスペンス、地図、VR、絶滅危惧種、絶滅
②トピック(順番に5つに分けただけ)
③選んだ本(各キーワードをAmazonでAND検索。ただしヒットしなかったら、後ろからキーワードを減らしていく)
今回も直感で、SF×地図=『ローワンと魔法の地図 (リンの谷のローワン 1)』というタイトルを選んでみました。うんうん。自分ではまず手にしない本だと思います。地域の図書館で検索してみると、どうやら児童書のようです。冒険モノかな?読むのが今から楽しみです。
- 作者: エミリーロッダ,佐竹美保,Emily Rodda,さくまゆみこ
- 出版社/メーカー: あすなろ書房
- 発売日: 2000/08
- メディア: 単行本
- クリック: 20回
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④ 次に読む本ストック
今のところ2冊。これ、年間通じて12冊とかにならないよう、気を付けないと。基本的に、ハズレもありそうだと思っているので、図書館で借りられる本を選んでいるところもあります。
さて、4月の定点観測はこのへんにて。早いところ5月分もまとめて、通常運転に戻さなきゃ!
参考
チャットボットによる本の紹介
はじめに
今年の2月くらいに、米国ハーパーコリンズ社がチャットボットによる本の紹介(Book Recommendation)を展開する、というアナウンスがありました。
具体的には、Facebook Messengerを用いたユーザ対話を通じ、書籍の推薦が行われます。要はチャットで会話をしながら、ユーザの趣味嗜好を絞り込み、適している本をおススメしてくれる、というわけです。この試み、発表から3か月も経ったので、そろそろこなれてきたかしらと、試してみました。
本のオススメチャットボット試行
まずはFacebookのMessengerでHarperCollinsを探すと、すぐ見つかりました。
図1 FacebookのHarperCollinsさん発見
とりあえず「スタート」で開始します。
図2 13万人もいいねしてるのか
始めると、吹き出し対話ができる画面に遷移します。HarperCollinsさんから、本のおススメ(RECOMMEND A BOOK)か著者のオススメ(AUTHOR TOP PICKS)を促されます。
図3 どっちにする?
本のおススメ(RECOMMEND A BOOK)にしてみると、最近読んでよかった本を聞かれました(この返信をフックに、推薦してくるのですね)。
図4 おススメしてくれるかなぁ
適当に「Star wars」とか入れてみたところ、ヒットせず。。[Title] by [Author]の書式で入れてみてね、と指示されました。ので、例示の通りにしてみたら、、、
図5 Whoops!からOh, no!へ
うーん。まだ入力起因の推薦機能はあまりマッチングデータが充実していないのかもしれません(Facebook Messengerはルールベース??)。仕方ないので、「Author TOP PICKS」を選択したら、著者を数名おススメされました。
図6 著者がカードのように並びます(左右にスワイプ可)
選んだ著者の「〇〇's Top Picks」を選択すると、今度は当該著者の本がおススメされました。
図7 本もカードのように並びます(もちろん左右にスワイプ可)
さらに本の「SHOW BOOK DETAILS」のリンク先では書籍情報や書籍の評価情報等を得ることができるようになっています。もちろん、「Get a copy」リンクもあり購入サイトや図書館サイトへの導線もあります(Goodreadsの機能か)。
図8 書評でおなじみ「Goodreads」のページだ!
まとめ
まだはじまって数か月。チャットボットを使って本のオススメするという切り口は面白いけど、いかんせん対話のためのルールデータが充実していないようで、まだまだインタラクティブにレコメンドするという状況ではないようです。
ただ、これは検索という行為を大きく塗り替える最初の一歩のような気がしています。
情報を探すという意味では、検索エンジンにキーワードを入れるのも、対話エンジンにキーワードを聞くのも、あまり変わりません。しかしながら、検索結果の取り扱いとなると、この2者はまったく異なります。つまり、前者(検索エンジン)はユーザ自身がフィルタリングしていって結果を得る必要がありますが、後者(対話エンジン)は対話を通じて、自然に結果が絞り込まれていくのです。
日常生活の中で、検索をするという行為は結構な負担になります。対話のような、より自然な行為を通じて本をおススメしてくれたり、求める情報を得ることができる。それはとても便利なことだと思います。そして、チャットボットがそんなサポートをしてくれる時代は、そう遠くないと思うのです。
図9 まだ日本語は通っていない。ハーパーコリンズって日本ブランチあるのに!
参考
人工知能の文脈でチャットボットを知ることができる本をご紹介。
夢みるプログラム ~人工無脳・チャットボットで考察する会話と心のアルゴリズム~
- 作者: 加藤真一
- 出版社/メーカー: ラトルズ
- 発売日: 2016/08/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読書的ニュース2017-05
Twitter(@doksyo_tek)につぶやいた#読書的ニュース、2017年5月分です。
モーメントは自分の切り口でツイートを編集できるので良い機能だと思います。今はハッシュタグと時間だけで分けてますが、内容や視点などを軸としたモーメントを作ってみるのも面白いかも。
『戦略読書』定点観測 - 2017年3月
はじめに
下記は、今年の読書ポートフォリオ・マトリクス(以下、RPM)です。昨年の実績値を参考に、年間200冊・読書時間460時間、マトリクスは横軸が「鍛錬⇔趣味」、縦軸が「基礎⇔応用」にアップデートしました。
図1 2017年版のRPM
定点観測
趣味-基礎
のび太の結婚前夜/おばあちゃんの思い出新装完全版―映画ドラえもん (てんとう虫コミックスアニメ版 映画ドラえもん Vol.)
- 作者: 藤子不二雄F
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/11/25
- メディア: コミック
- 購入: 5人 クリック: 32回
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何度でも泣ける名作2本セット。本編はアニメセルだが、「原作とアニメの違い解説」も付いており、読んでいて楽しい。
趣味-応用
電子書籍の未来については特に気になった部分だったので、別途書評記事を書きました。詳細はそちらもごらんください。業界関係の人が見ても、そこそこ的確な感じ。ただ、その分予測できそうな未来が語られており、目の覚めるような未来は語られていなかったのが残念。まぁ、論理的な経営者は夢物語よりも現実的な未来を語るほうが正しいよね。
鍛錬-基礎
なし
鍛錬-応用
BRUTUS(ブルータス) 2017年 1/1・1/15合併号[危険な読書]
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2016/12/15
- メディア: 雑誌
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「危険な」切り口はたくさんある。荒唐無稽、特殊、狂気、異常、思想、、等々。ここに取り上げられている本は、どっぷり浸かってはいけないと思いつつも魅力的で、引き寄せられる力を持っている。あぁ、読みたい。どんな本かは、本編でお確かめ下さい。
BRUTUSの「危険な読書」特集にも通じる本。こちらは、専門書・芸能本・ノンフィクション・趣味本等、本のジャンル別に変わり種を収録。危険ではないが、興味本位でのぞき見したくなる。
分析
以下は今月のRPMです。棒グラフが冊数、折れ線グラフが読んだ時間です。
3月はTwitter等、他メディアに確実に時間を吸い取られました。本読みたいなぁと思いつつも、ついついSNSに時間を奪われる。そんな月でした。
読書形態(紙、図書館、スマホ、専用端末)ですが、3月は紙のみ。図書館の本も、借りたけど読まずに返していました。
従いまして、あまり分析要素がありません。月4冊って定点観測始まって以来の低水準かもしれません。。材料がないと、分析もやりずらいなぁ。
続いて、累積のRPMです。
3月の読書傾向が微妙だったこともあり、累積のグラフが三角屋根の形をしていることに変わりはありませんでした。
ちなみに、学習要素が高い両端の「鍛錬‐基礎」と「趣味‐応用」、2月までは0冊でしたが、3月は親書を1冊読んだので、かろうじて変化が見てとれます。
次に読む本
戦略読書のキモは、他人と差別化するために、他人と違う本を戦略的に読みこなしていくことであるとし、組み合わせて自分が選ばない本を選んでみるという作戦を考えました。下図はその手法を図示したものです。
この仕組みに則り、2月に選んだのは、以下の本でした。
- 作者: 宮下洋一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/06/05
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
そして、3月の読書状況を見てお分かりの通り、まだこの本、読めておりません。次に読む候補としてストックしておき、図書館や書店に赴いた際には、積極的に手に取ってみようと思っています。
さて、3月はイマイチでしたが、4月挽回なるか。最近さぼっていた定点観測のまとめ、どんどん出していこうと思います!
参考
読書的ニュース2017-04
4月から、Twitter(@doksyo_tek)のモーメントにまとめることにしてみました。#読書的ニュースをつけて日々のニュースをつぶやき、月1回、こちらにもまとめを投稿します。まだまだ実験的ですが、しばらく試してみることにします!
ということで、まずは2017年4月分です。