読書的ニュース2017-04
4月から、Twitter(@doksyo_tek)のモーメントにまとめることにしてみました。#読書的ニュースをつけて日々のニュースをつぶやき、月1回、こちらにもまとめを投稿します。まだまだ実験的ですが、しばらく試してみることにします!
ということで、まずは2017年4月分です。
書評『鈴木さんにも分かるネットの未来』
はじめに
本書はドワンゴ創業者でカドカワ社長の川上量生(かわかみのぶお)氏がネットの未来について論じた本です。
「鈴木さんにも分かる」とは、川上氏が弟子入りしていたスタジオジブリの鈴木敏夫氏に説明する(=ネットに詳しくない人に説明する)というスタンスを取っていることに由来します。
目次を眺めますと、ネット社会やネット世論から始まり、コンテンツ、プラットフォーム、電子出版、テレビ、集合知、ビットコイン等、多岐に渡ってネットトレンドが網羅されています。
この中で、やはりdoksyo-tekは「電子書籍の未来」が気になりました。そこで、今回は『鈴木さんにも分かるネットの未来』の「電子書籍の未来」について書評してみたいと思います(従いまして、本書全体の書評にはなっていません)。
本の未来
電子書籍というと、よく紙の本 VS デジタル本という構図で語られることが多いのですが、冒頭、川上氏はズバリ紙に未来はないと切り捨てています。
p211
結論から先にいうと、紙の本が電子書籍に置き換えられるのは避けられない未来だというのがぼくの見方です。
デバイスの携帯性、省スペース性、テキスト化による検索性、紙代・印刷代・物流代の削減によるコスト性。そのすべてにおいて、紙に勝っているため、というのが理由です。
こういう周辺が整いつつあることはわかります。では、肝心の本そのものはどうでしょうか。川上氏は未来の電子書籍は以下のように進化していくと見立てています。
p215
- テキストや画像だけでなく、音声や動画などのいろいろなデータを取り込んでマルチメディアの電子パッケージ媒体になっていく
- 自動的に内容が更新、追加されるようになる
- 検索、引用、メモ、読書記録の自動保存など、読書体験の進化
- 他人と読書体験を共有できるようになる(ソーシャルリーディング)
- 本の非局在化。自分の持っている本は、ネットワークにつながっていれば、どこでもさまざまなデバイスで読めるようになる
さほど新しくない分、十分実現できる、あるいは既に実現されている技術で構成されています。例えば、1。いわゆるマルチメディアは、EPUBがHTML5で構成されていることや、Kindle in Motionのような取り組みを通じてわかるところです。他にも、内容の追加・更新、メモや下線の共有はKindleその他で実現されていますし、ソーシャルリーディングサービス(本のStand、ブクログ、読書メーターなど)、いつでもどこでもデバイスに依存せずに読める環境等も整いつつあります。
これからの電子書籍に求められるもの
現在の電子書籍に足りないもの、そしてこれから求められてるものについて、彼はこのように語っています。
足りないもの
p219
電子書籍の大きな欠点は、読んでいるとき以外は、どこにあるか目に見えないということです。
求められるもの
p227-228
現在のウェブでの情報の爆発にともなう内容の低レベル化を考えると、無料ウェブで広がっているハイパーリンク網とは別に、有料の電子書籍間でのハイパーリンク網が、インターネットの新たな知のネットワークを構築する可能性があるんじゃないかと期待しているのです。ウェブの知のネットワークを電子書籍が担うようになれば、むしろ電子書籍はインターネットによって最も成功したコンテンツの地位を得られるのではないでしょうか。
「足りないもの」は同感です。
本を買ったものの読まずに積み上げておく行為を積読と呼びますが、積読は物理的に目の前に本が積みあがっているため、読んでいない本が圧迫感と共にそこに存在しています。
それに対し、電子書籍は、アプリケーション内部に本棚はあるものの、そのアプリを起動させなければ、一切目に触れることはありません。読みかけの本、または読んでいない本がありますよ、といったプッシュ通知もありません(と書いたけど、プッシュくらいならサービスでありそうだな)。
このあたり、読者に読まなきゃ!と思い出させつつ、かと言ってしつこくないように読書を促す、電子積読を解消する技術は今後の電子書籍発展に大いに役立つ技術だと思われます。
一方、「求められるもの」はどうでしょうか。有料・無料で差別化できる知識ネットワークが形成される世界。それは一つの解なのかもしれませんが、doksyo-tekはイマイチだと思っています。
有料であるとは、プロが編集しているため、内容の事実確認や言葉使いが担保されていることに対する対価なのだと思っています。であるならば、wikipediaに代表されるようなネットワーク上での相互編集・相互管理が昇華すれば、それはプロ編集者と同等の品質を保てるのではないかと思うのです(もちろんそこに編集者として参画するユーザへの対価は必要かもしれませんが)。
つまり、有料・無料による差別化ではなく、どれくらいたくさんのユーザの目でチェックされたかによる差別化です。「有料の電子書籍間でのハイパーリンク網」が価値のあるネットワークなのではなく、「多くのユーザに評価された電子書籍間でのハイパーリンク網」に価値があるのではないかと思うのです。
所感
今回は、カドカワ社長の川上氏によるネット論、とりわけ電子書籍論についてまとめました。紙が電子に置き換わりつつある状況の中で、堅実に機能強化をする一方で、電子積読の解消や、知識ネットワークの形成等、来るべき未来を示唆する、いい本でした。
オマケ
ネットを語るなら、とりあえずこの本も読んでおこう、と思うものを挙げてみます。
【全15巻合本版】角川インターネット講座<角川インターネット講座> (角川学芸出版全集)
- 作者: 村井純
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川学芸出版
- 発売日: 2015/11/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (5件) を見る
読書的ニュース2017-01~03
2017年1月~3月の読書的ニュースです。
もう3月も終わってしまいましたが、1~3月分をまとめます(毎月何日に発行、って決めたほうが良さそうだな、これ。当初は月に2~3回って息巻いていたのに、この体たらくぶり。。いやはや)。あと、読みやすいレイアウトを求めて、少し改変。まぁ毎回ちょこちょこしてますが。簡単さと見栄えの良さの、ちょうどいい妥協点を探っていきたいです。
▼小説家の手作り「豆本」が凄い! ため息出るほど小さく精巧 - Excite Bit コネタ(1/3)
かわゆい。。製本の一ジャンルを築いてるよなぁ。
▼AI研究者が問う ロボットは文章を読めない では子どもたちは「読めて」いるのか?(湯浅誠) - 個人 - Yahoo!ニュース
2016年11月の記事。東ロボくん開発をしていた先生が、「わからない」という子は「読めていない」ことに着目し、どのくらい読めているのかを測る読解力テスト「リーディングスキルテスト」の開発に至ったとのこと。このテストは大いに参考になりそうなので、別記事で深掘りしたいと思います。
参考
- 東京新聞:学習到達度の国際調査 日本「読解力」は8位に後退:社会(TOKYO Web)
- OECD生徒の学習到達度調査(PISA):国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research
▼「本の未来」を考える―出版業界のキーパーソンたちに聞く - Yahoo!ニュース
"本の未来がどうなるかは、結局、「読者が何を求めるか」。"
スマホ1台であらゆるメディアを享受できるようになっている、という点において、読者の求める「面白さ」は出版に限らないのは当たり前。キーの一つは、KADOKAWAさんが言うように、UGCなのではないか。特に、中高生の若い世代はとてつもないスピードで、TwitterやInstagram等のSNSプラットフォームを介してUGCを生み出し、シェアしている。その中で、文字ものをどう露出していくのか。そこが本の未来の一つの形だと思う。文字って意外と個性的なので、映像や音声に負けないコンテンツ力を持っていると思うし。
▼ITコーディネータの仕事 - 店内在庫検索を含む書店業務をITで変革:ITpro
書店業務のIT改革が、広がる広がる。こういう地道な取り組みが、高いレベルのサービスを作っていくんだろうな。いい話。
▼『三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から』三省堂国語辞典の行間 - HONZ
"本書を読めば、三省堂国語辞典のすべての項目は、なるべく文字数を減らしつつ、情報を削らない、という一見矛盾するような理念によって支えられているのはおわかりかと思います。"
真剣な、モノづくりの現場より。
▼絵本が家に100冊以上!?勝手に絵本好きな子どもに育つたった3つの理由 - 旅するように学ぶ
やはり、身近な、気軽に手に取れる距離にいろんな本があるってことが大事。原体験はとても貴重なので、実践していきたい。
▼[ブックレビュー]読み方を変えると人生も変わる?--「1冊20分、読まずに『わかる!』すごい読書術」 - CNET Japan
昨年秋の記事です。これ、図書館で借りた本に対して試してみたい。ただ、インプットをあまりにも効率的にすると、結局忘れてしまって時間の無駄だった、ということにならないだろうか。スキミングのメソッドの一つとして捉えるのがよいかな。
▼クロノス・クラウン、小説の推敲補助ソフト「Novel Supporter」を無償公開 - 窓の杜
へぇ。ちまたではword2vecが流行ってるみたいだけど、言葉そのものの解釈、というアプローチを取らない点が面白い。小説を書く方々から見たら、どうなんでしょ。てか、最近の小説家はどんなツールを使って執筆してるのだろうか。案外、スマホでフリック入力してたりして。
▼ロボット・機械漫画のおすすめ作品を紹介する。ロボットたちが活躍する面白い漫画 - 漫画ギーク記
おおお。この切り口は面白い。読んでみたいマンガが目白押し。特に『スキエンティア 』が気になった。科学系×ロボットってロマンがあって好きです。
▼HEAPS Magazineー時代と社会の、決まり文句に縛られない。
ECの進化形。テキストメッセージによる販売。いわゆるチャットボットな世界だけど、これ、本にも応用できないかな。今は閉じちゃった?みたいだけど、本のフミカ(本のアプリStand)みたいに本をサジェストしてもいいし、本情報の口コミでもいい。本そのものを作る(執筆)支援みたいなこともできるかもしれない。おもしろいなぁ。
昨年来取り組んでいる、戦略読書の古典(<鍛錬読書-基礎>カテゴリ)を選ぶときの参考になる。歴史的に殿堂入りしている作品を読んで、物事の本質に近づきたい!
▼「学校司書」効果あり 全モデル校で貸出数増|カナロコ|神奈川新聞ニュース
子どもにもコンシェルジュは必要。本好きの子って、親がコンシェルジュの役割を果たしていることが多い気がする。ところで、この仕組み、チャットボットが代行できそう。図書館司書ボット。
▼女に立ち読みさせろ。人間の心理を知り尽したコンビニのレイアウト - まぐまぐニュース!
窓際に女性がいるとホイホイ効果があるとか、そういう話かと思ったら、導線と雑誌の配置の話だった。手前から奥にかけて、女性誌→情報誌→マンガ→男性誌。最近はいろんな亜種もあるよね。マンガだけ独立とか。こないだ入ったコンビニは、入り口にテーブルがあって、そこに新刊雑誌が面陳されてた。あれはビックリしたな。
▼読書を習慣化し、記憶に定着させる簡単な方法 - オンクログ~恋愛工学実践してみた~
たまたま見つけたんだけど、かなりの良記事。読書を習慣化して、かつ記憶に残す手法を、彼女に説明するという簡単?な行為に落とし込んでいる。とくに、相手の反応を見つつ話に緩急をつける会話デザインは秀逸。人に話すと記憶が定着するって、齋藤先生も言ってたな。
『戦略読書』定点観測 - 2017年2月
はじめに
下記は、今年の読書ポートフォリオ・マトリクス(以下、RPM)です。昨年の実績値を参考に、年間200冊・読書時間460時間、マトリクスは横軸が「鍛錬⇔趣味」、縦軸が「基礎⇔応用」にアップデートしました。
図1 2017年版のRPM
定点観測
趣味-基礎
びわ法師のひとことが、なんとも奥深くて。
人間のしあわせっちゅうのは「いきがい」ってこった・・・
どろろの金は不幸な人たちが立ちあがるために使われるのだろう?
それを見つけてやるということは
おめえさんが一人前の人間として立派に役をはたしたことになる!!
それが「いきがい」だ・・・わかるか?世の中にシアワセなんてありゃしねぇってな
だが
この水のはてに
この空の下に
おれのさがす
シアワセの国が・・・
なんだか
あるような気がする・・・
きっとあるに決まってる!
「獲物は逃しても、また獲れる。獲物ほしさにルールを守らなければ、狩猟をする資格はありません。」
猟師の美学。丁寧な描写は見ていて面白い。
鴫。「しぎ」と読む。Snipeは鴫狩りを意味し、スナイパーとは元々鴫を獲れるほどの腕前の持ち主のことを指す。鴫は小さくてジグザグに飛ぶため、狩りにくい。うん。1つ賢くなりました。
金魚屋古書店の、別冊?
次のフレーズがよかった。確かにあったと感じていた意味も毎日のようにうつろっていく
一瞬の光と闇の砂時計
その音の心地良さずっと変わらない価値なんてない
絶対的な力を持った確かな値打ちのものなんてない
だから本棚の海の中は気持ちいいんだよね漫画なんて、たかが紙の上の事。だからこそ、どんな事でも起こり得る。
たかが紙の上だからこそ、あらゆる可能性を秘めていると思っている。
- 作者: バージニア・リー・バートン,Virginia Lee Burton,石井桃子
- 出版社/メーカー: 童話館出版
- 発売日: 1995/03
- メディア: 大型本
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バージニア・リー・バートンの作品。彼の作品は、産業の進展と、進展に伴う歪みとをうまく描き出している。スチームショベルからガソリン・電気・ディーゼルショベルへ。最後に石炭だってまだまだやれるさ、と光を当てるその裏には、その産業でがんばってきた人々への敬意が感じられる。
久しぶりに笑った。とても楽しく、でも確かに生きているって実感のある言葉たち。渋谷直角の世界観、人生観も垣間見ることができる。飾らないからか、なんかホッとする一冊だった。紙の本も買っちゃうか。
趣味-応用
なし
鍛錬-基礎
なし
鍛錬-応用
沼津にある深海水族館の紹介本。
水深200mより深いところは深海で、それは地球の海洋面積の80%なんだとか。深海ってもっと特殊なイメージがあったけど、そうでもないのかも。
しかし、沼津に行きたくなった。深海水族館も見たいし、深海魚が食べられる沼津港にも行きたい!(別に深海魚限定じゃなくていいけど)
司馬遼太郎は、「歴史とは、大きな世界である」と言った。その世界の中にいるたくさんの人物が、自分を励ましたり、慰めたりしてくれると言った。
巻頭の「読書の未来」が読みたくて借りた。後ろは全部立花隆の書評。それはそれで参考になるのでざざーっと読んでアマゾンメモ実行。巻頭は後でまとめよう。
昆虫の世界は本当に奥深い!
写真が多く、実寸も載ってたりするから、イメージがわきやすくていい。重かったり固かったり派手だったり、本当に多様だなぁ。
分析
以下は今月のRPMです。棒グラフが冊数、折れ線グラフが読んだ時間です。趣味-基礎(小説、マンガ類)はやはり強力です。
読書形態(紙、図書館、スマホ、専用端末)ですが、今のところ、オーディオブックやウェブブックは読んでいないので、4つのままです。また、形態は偏りなく分散しているように見えます。おそらく、読書をするシーンに応じて、形態を使い分けているからだと思われます。どのシーンで何が最適か、検討してみるのも面白いかも。
続いて、今月からは累積のRPMも分析します。
累積のグラフは、三角屋根みたいな形になってきました(毎月のRPMもだけど)。これは、両端に位置する「鍛錬‐基礎」「趣味‐応用」がどちらかというと学習要素の高い、いわゆるお堅い系・勉強系の本が多くなるため、そんなに多く読まれないという事実の表れかと思います。
エンタメ要素が少ないものの、読むと奥が深くて面白い面も持ち合わせている「鍛錬-基礎」「趣味-応用」ジャンルは、もっと開拓していきたいところです。具体的な方策も検討しなくちゃ。
次に読む本
前回も書きましたが、戦略読書のキモは、他人と差別化するために、他人と違う本を戦略的に読みこなしていくことでした。
そのために考えた作戦が、組み合わせて自分が選ばない本を選んでみるというものでした(以下、前回の図を再掲します)。
この仕組みに則り、本を選んでみました。今回は、キーワードの選定も、トピックの構築も、全部手作業と主観で行っています。なんとなく。ここを自動化すれば、思いもよらぬ本に出合えることになりそうな気がします(やはりこれは単なるレコメンドか?)。
①キーワード(直感で選んだ。タイトルからのキーワード抜粋が多め)
どんぐり、姉妹、情報、ロボット、生命倫理、奴隷、生殖、心理学、寝かしつけ、鬼、人食い、亀有、世田谷、ウェブニュース、広告、仮説、習慣化、ストーリー、戦略、青空文庫、電子書籍、図書館、マイクロライブラリ、経済
②トピック(順番に5つに分けただけ)
- どんぐり、奴隷、人食い、仮説、電子書籍
- 姉妹、生殖、亀有、習慣化、図書館
- 情報、心理学、世田谷、ストーリー、マイクロライブラリ
- ロボット、寝かしつけ、ウェブニュース、戦略、経済
- 生命倫理、鬼、広告、青空文庫
③選んだ本(各キーワードをAmazonでAND検索。ただしヒットしなかったら、後ろからキーワードを減らしていく)
われ広告の鬼とならん―電通を世界企業にした男・吉田秀雄の生涯
- 作者: 舟越健之輔
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2004/02
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
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④ 来月読むもの(ピンと来た1冊を選んでいます)
『卵子探しています 世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』にしてみようと思います。おっと、来月と書いていますが、この記事を書いている段階で、3月は終わってしまいそうなので、4月に読みます!
さてさて、面白く読めるかなぁ。4月の戦略読書で検証してみます。
参考
速読の科学(1)
はじめに
巷には速読と名の付く本がたくさん出版されています。速読と聞くと、本当に早いスピードで読むことなんてできるのだろうか、と懐疑的な印象がぬぐえないのですが、昨年初頭、興味深い記事が公開されました。
速読は不可能である(正確には、読解の速度と精度はトレードオフである)とするこの記事のネタ元は、以下の論文になります。
この論文、30ページを超える大作です。速読研究の世界を大掴みするのに適していると思ったので、どうせなら、巷の速読法に関する本と照らし合わせながら、速読にはどのような種類があり、かつどのような効果があるのか(あるいはないのか)について整理・考察してみたいと思います。
今回、巷の速読法がまとまっている本として、次の本を選んでみました。もちろん他にも多様な手法があるかと思いますが、まずはとっかかりということで選んでいます。
各文献について
まずは書籍のほう
こちらは速読法が人に紐づいているようでしたので、人毎に整理します。(1)~(3)は方法論というより、インタビューが中心かもしれません(未読)。
次は論文のほう
非常に長い論文なのですが、前半は通常の読み(黙読)に関する読書プロセスについて、後半はその対比としてRSVPと呼ばれる速読手法を中心とする読書プロセスについて書かれているようです。
はじめに
- 要約、導入
通常の読み(黙読)
- 読書、スキミング、速読
- 読書プロセス
- 書字システム
- 視覚処理と眼の動き
- 言語認識
- 理解
- 自然な読書プロセスに関する結論
速読
結論
- 結論
進め方
あまり明確に決めていません。まずは各文献を読んでみて、主旨をまとめるとか、何らかの軸で分類するとか、そんなことをしながら速読の世界を浮き彫りにできればと思っています。読み進めていく中で、よりよい着地点が見いだせればと思います。
まとめ
ということで、次回以降、少しずつ、それぞれの速読について迫ってみたいと思います。これはだいぶ時間がかかりそうですが、何か良い知見が得られそうな気がしています。乞うご期待!