『遠読』を読むぞ
書店で手に取ってみて「うわ、難しい」と思い、図書館で借りてみて期限切れで返却し、、結局読めずにいるフランコ・モレッティの『遠読』。
みすず書房の紹介(抜粋)にはこうあります。
西洋を中心とする文学研究/比較文学のディシプリンが通用しえない時代に、比較文学者モレッティが「文学史すべてに対する目の向けかたの変更を目指」して着手したのが、コンピューターを駆使して膨大なデータの解析を行い、文学史を自然科学や社会学の理論モデル(ダーウィンの進化論、ウォーラーステインの世界システム理論)から俯瞰的に分析する「遠読」の手法だ。
ほほー。
精読(Close Reading)に対する遠読(Distant Reading)。一歩引いて、全体を眺めることで「世界の文学」なるものを丸ごと捉えてしまおうという野心的な試みかと思います。しかもその手法にネットワーク理論やデータ解析手法等、情報科学の手法を用いると。これは興味がわきます。
でも、この『遠読』、文学の知識が浅いdoksyo-tekには1行1行が難しく、とてもとてもハードルの高い本なのです(すでに2回挫折してるし、値段も高いし)。
こういう時は、ネットの書評や感想文を読み漁り、本当に読みたい本なのか否か、見極めることが大事になります。
- 書評:遠読―〈世界文学システム〉への挑戦 [著]フランコ・モレッティ - 円城塔 (作家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
- 『遠読 〈世界文学システム〉への挑戦』 フランコ・モレッティ著 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
- 遠読 カテゴリーの記事一覧 - 訳すのは「私」ブログ
- 遠読とは読むに値しない本達への眼差し | 高橋文樹.com
- 本を読まずに文学する『遠読』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
- 遠読――〈世界文学システム〉への挑戦 - 本と奇妙な煙
以下、有料だったので、途中までしか読んでない記事。
結論。はい。やはり『遠読』に挑戦してみたいと思います。
ということで、ポチリました。やっちまった。おそらく、相当時間がかかる(2017年いっぱいで読み終えるかどうか)と思います。できれば、都度、感想などを書いていきたいなと思っています。
以下は、『遠読』に関連してるかもしれない本。翻訳者・秋月さんご推薦の本も含まれています。デジタル・ヒューマニティーズ、面白そうな研究領域ですね。日本語圏でも、もっと盛んになるといいなぁ。
- 作者: エレツエイデン,ジャン=バティーストミシェル,高安美佐子,阪本芳久
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2016/02/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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グーテンベルクからグーグルへ―文学テキストのデジタル化と編集文献学
- 作者: ピーターシリングスバーグ,明星聖子,大久保譲,神崎正英
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2009/09/25
- メディア: 単行本
- クリック: 35回
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Macroanalysis: Digital Methods and Literary History (Topics in the Digital Humanities)
- 作者: Matthew L. Jockers
- 出版社/メーカー: University of Illinois Press
- 発売日: 2013/04/15
- メディア: Kindle版
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The Bestseller Code: Anatomy of the Blockbuster Novel
- 作者: Jodie Archer,Matthew L. Jockers
- 出版社/メーカー: St. Martin's Press
- 発売日: 2016/09/20
- メディア: Kindle版
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Between Humanities and the Digital (MIT Press)
- 作者: Patrik Svensson,David Theo Goldberg
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 2015/05/22
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戦略的に読書をするためにやったこと2016
はじめに
三谷宏治さんの『戦略読書』に感銘を受け、2016年の1年間、お粗末ながら戦略読書を実践してみました。
具体的には、まず「何を読むか」「どう読むか」「どんなバランス(配分)で読むか」を可視化する「読書ポートフォリオ・マトリクス(RPM)」を作成しました。
次に読書に充てられる1日あたりの現実的な時間から、「1年間に100冊、400時間読む。」という目標値を設定しました。
本記事は、1年を通じて戦略的な読書はうまくいったのかどうか、振り返りつつ、2017年につながる戦略読書の方向性を見いだしてみたいと思います(既に2017年が1ヶ月以上過ぎていることはナイショ)。
2016年の取り組み概要
2016年の取り組みは、大きく以下の3点に分けられます。
- 年のはじめの方針策定
- 毎月の定点観測
- 振り返り
1は「はじめに」に示した通りです。
2では、毎月の読書の定量化(どのジャンルの本を、何冊・何時間読んだかグラフ化する)と一言読書感想、そして気づきメモ(試行のフィードバック)を記しました。
3は6か月後、12か月後に振り返りをまとめました(本記事は12か月後の振り返りに該当します)。
読書の定量化
RPMを可視化するため、毎月/累積それぞれの、冊数・時間をグラフで示しました。年間を通してみてみると、以下のようになりました。
また、当初設定したRPMの各ジャンル目標に対しては、以下の達成率でした。
一言読書感想
3月の記事によれば、以下のように述べていました。
リーディング・フローの「活用ステップ」の一環として、一言感想文を付けてみました。自分メモレベルです。でも、言語化すると思いのほか丁寧に読み返す作業が発生し、その分、記憶の定着と言いますか、頭に残っている感じがします。この作業はもう少し深掘りしていってもいいかもしれません。
記録は続けており、感想メモがたまりつつあります。ただ、掘り下げはほとんどできていません。ちなみに、感想メモは本ブログにも記していますが、基本的にはブクログで読了/未読の管理をし、本のStandで感想メモを記しています。
このあたりのフローは明文化していなかったと思います。今度まとめて管理活用法を記しておきたいです。
気づきメモ
定点観測では、様々な気づきを得ることができました。以下、毎月の気づきメモです。実際に試しているだけあって、それなりに気づきがあり、また、場合によっては都度改善できたのはよかったかと思います。
1月
- マンガは読むスピードが早いため、時間を再設定(4時間/冊 → 30分/冊)
- 「ビジネス基礎」で読みたい本を決定(経営系20冊、情報系15冊)
2月
- 「ビジネス基礎」は読むのが大変なので、時間を再設定(4時間/冊 → 5時間/冊)
- 読むことに注力できるよう、読書前後の行為を整流化(リーディングフローの記事)
3月
- 読了本に対して、一言感想メモを残すことを決定
4月
- 「ビジネス基礎」の読む気が起きないが、とりあえず様子見
5月
- 読むことに注力できるよう、「いつ」「どれ」で読むかを設定
- (1)通勤時 → スマホ
- (2)自宅のデスク → 紙
- (3)自宅のリビング → 専用端末
6月
- audibleを試したが、聞き流しが発生。慣れるまで様子見
7月
- 読書時間が捻出できず。「読み始め」の能動性の壁(TV等と異なり、取り掛かりは自分の意思が必要)の高さによると認識
- audibleの様子見は継続
8月
- 読書の楽しさを改めて実感(夏休みに読書三昧)
- audibleは効果を見い出せず、解約
9月
- 読書の楽しさ実感、継続中
10月
- ガッシリした重い本を楽しめるようになった(気がする)
- 読み方の「型」ができつつある(気がする)
- (1)丁寧に読み、気になるフレーズに付箋する
- (2)まとめた時間を取らず、細切れに読む
- (3)読書再開時にこれまで付箋をつけた箇所を見返す
11月
- 月またぎになる本の集計をどうするか、要検討
- 小説が面白くなる
12月
- RPMが読書ジャンルにそぐわず、分類割り振りが煩わしくなる
振り返り
本当は半年(つまり7月くらい)で振り返る予定が、ズルズルと9月半ばに中間の振り返りをしました。以下は、当時まとめた、うまくいっている点と、改善の余地がある点です。
うまくいっている点
- とにかく本を読む量が増えている
- いろいろなジャンルの本に興味が出てきた
- 読み方のコツがわかってきた(気がする)
改善の余地がある点
- 読む本のバランスが悪い:ビジネス基礎本の少なさよ・・・
- マンガ問題:文字ものとは別に考えたほうがいい量になってるかも
- Amazonリストの整理:ちょっと複雑すぎた。(1)未読(購買予定)(2)未読(図書館貸出)(3)読了、くらいがいいかも
- 本棚の整理:ちょっと複雑すぎた。『レバレッジ・リーディング』を参考に整理し直すのがいい。
改善の余地がある点に関して、Amazonリストの整理を行いました。複雑だったリストも、以下のようにスッキリ。
ただ、定期的に「購買予定」から「積読」「図書館」に移行したいのですが、なかなかできず、「購買予定」が膨れ上がっています。こんなに読めるのか・・・
また、単発的に、この取り組みを通じて得た気づきを、リーディングフロー(読書の前後行為の整流化)に関する記事として記しました。なかなか理想のようにはいきませんが、少しずつ自分に染み込んできているかと思っています。
まとめ
戦略読書1年目。まずは実践してみて、少しずつではありますが、自分の読書スタイルが形成しつつある気がします。
以下、良かったと思う点と、反省点です。
良かったと思う点
1) 記録を付けるようになった
もともと好きな読書。これまでは読みっぱなしが多かったのですが、記録と感想を丁寧につけるようになりました。そのため、読書に関する個人的な基礎データがたまりつつあります。これをもとに、読書傾向等、深い分析に活用してみたいところです。
2) 読むことに注力できるよう、前後行為の整流化を試みた
「リーディングフロー」と名付けた整流化。まだまだ粗いですが、日常の様々な場面で「すぐに」読書に集中できる環境を整えておくことは、効率化の観点からも、知識吸収の観点からも、とても重要なことだと思います。リーディング・ライフハック的に、今後も追及していきたいです。
3) 読み方の「型」ができつつある
リーディングフローの一環です。気づきメモ10月でも述べましたが、(1)付箋する、(2)細切れに読む、(3)読み始めに付箋を見返す、ことが、自分の読書スタンダードになりつつあります。また、付箋箇所の抜き書きや読み返しといった「つづき」も生まれつつある。このような「型」を強固にしていくことは、とても大事なことだと思います。
反省点
戦略読書は、個人の知識がコモディティ化しないために「何を」「いつ」「どこで」読むかを考える点がポイントです。その意味で、この1年は読書の記録・可視化・整流化に注力し、戦略的な活動、特に「何を」読むかについてはあまり実践できなかったと思います。
例えば、「ビジネス基礎」ではえいっと古典を選びましたが、それは本当に古典(=みんなに支持される本、の意味で使ってます)なのか。今の自分が読んでいいタイミングなのか。あるいは、読むべきものなのか。
例えば、マンガは娯楽的要素が強いものと、知識習得的要素が強いものがあるが、どちらをどれだけ、そしてどんな内容のマンガを読むのが、自分にとって最適なのか。
2016年の読書には、全て「これは読むべきものなの?」が付いて回りました。
他人と差別化するために、他人と違う本を戦略的に読みこなしていく。そこに重きを置くならば、この1年で培ってきた記録・整流化・型を持続しつつ、「何を読むか」をもっとシステマティックに考えていくべきなのだろうなと思います。
さいごに
ということで、2017年も戦略読書継続したいと思います。2017年のRPMは以下のように更新してみました。
2016年の値を参考に、時間・冊数・エリアを再配分しました。年間で200冊、460時間の読書時間が試算です。
横軸は、これまでビジネス/非ビジネスだった分け方を、鍛錬/趣味に分けました。また、縦軸は基礎/応用・新規だった分け方を、基礎/応用に分けています。
このRPMに至った経緯は、別の記事で改めてまとめておこうかと思っています。
さてさて、これで2017年を走り切れるか。コモディティ化しない読書、戦略的な読書の実現に向け、少しずつでも前進できたらうれしいな。
「読んで理解する」とは何か(2)
はじめに
前回、読解方略に関してサーベイしている論文の、定義・モデル・効果等を簡単にまとめました。
doksyo-tekは、読解方略とは、人が本を読むという行為を通じて、どうやって本に書かれている内容を獲得するのか、その認知プロセスを明らかにし、より有効な獲得手段を見いだす研究領域だと理解しています。
さて、今回はサーベイ論文のまとめ第2弾です。読解方略の手法、その指導法や課題を中心にまとめて、「読んで理解する」とは何か、について考察を加えたいと思います。
読解方略の手法
通常の内容教授に比べ、読解方略指導を行うと、指導者は学習者に対し、(1)教示する、(2)理解の手助けをする、(3)方略の効果を伝える、といった手段を講じます。そうすることで、学習者は、別のシーンでも応用可能な「読解の認知プロセス」を得ていくのだそうです。
この認知プロセスを獲得すると、通常の内容教授型の学びと比較し、読解成績が高いという定量的な結果が示されています。
以上の前提を踏まえて、2つの具体的な読解方略指導プログラムが紹介されています。
プログラム(1)自己調整学習
何やら難しそうなプログラム名が付いていますが、筆者の解説を読むと、いたって明瞭で、(1)読者の現状分析をし、(2)目標と手続きを定め、(3)実際に読書し、(4)効果検証を行いつつ読書の練習をする、というものです。
目標設定は、たとえば読解前・読解中・読解後の3フェーズに分けて設定し、認知プロセスのみならず、読解の環境や情動の状況等も含めて捉えることが特徴だそうです。
この手法は、読解に対して、何回方略(内容獲得の手段)を適用したか、といった定量的な指標でモニタリングされることが多いそうです。ただ、熟達した読者にとっては、回数よりも、適切なタイミングでの方略適用のほうが重要だったりするそうで、そのチューニングが検討課題となっています。
プログラム(2)相互教授法
こちらは、学習者が自ら関わる読解方略指導プログラムだそうです。まず、最初に教師が読解方略手法として、①要約、②質問作り、③明瞭化、④予測、の各手法を示します。次に、学習者が①~④を用いて読み進めます。この際、学習者は①~④をどう使い分けるか学んでいきます。このような手法を用いた介入研究では、読解が促進されるという報告があるそうです。
このようなプログラムはいくつか提案されているそうですが、National Reading Panelでは、有効な7つの方略指導が提示されています(一部意訳しています)。
- 理解モニタリング(自分の理解度を知るにはどうすべきかを学ぶこと)
- 協同学習(他者と一緒に読解方略を実践すること)
- 図的表現の活用(理解の手助けとして、図を用いること)
- 質問への応答(教師の質問に答えて、かつフィードバックを受けること)
- 質問の生成(自分自身に質問すること)
- 文章構造(文章の構造を考えて、内容を記憶すること)
- 要約の作成(文章をまとめ、汎化すること)
Dole, J. A., Brown, K. J., & Trathen, W. (1996). The effects of strategy instruction on the comprehension performance of at-risk students. Reading Research Quarterly, 31, 62-88.
Cantrell, S. C., Almasi, J. F., Carter, J. C., Rintamaa, M., & Madden, A. (2010). The impact of a strategy-based intervention on the comprehension and strategy use of struggling adolescent readers. Journal of Educational Psychology, 102, 257-280.
Zimmerman, B. J., Bonner, S., & Kovach, R. (1996). Developing self-regulated learners : Beyond achievement to self-efficacy. American Washington, DC : Psychological Association.
Palincsar, A. S., & Brown, A. L. (1984). Reciprocal teaching of comprehension-fostering and comprehension-monitoring activities. Cognition and Instruction, 1, 117-175.
National Reading Panel (2000). Teaching children to read : An evidence-based assessment of the scientific research literature on reading and its implications for reading instruction. Bethesda, MD : National Institute of Child Health and Human Development.
読解方略の課題
以下、論文で述べられていた読解方略の課題です。
- 教育の現場では、読み方が限定的(例えば、要点の把握は多めだが、質問生成は少ない、等)
- 文章理解の必要性が明示される読解方略指導が少ない(明示されたほうが効果が高い)
- 読解方略そのものの研究は多いが、読解方略の指導に関する研究は少ない
- 体系的な効果測定を含む実践研究が少ない
- 電子媒体での「書き込み」が紙媒体での「書き込み」と同等の効果があるかどうか不明
- ハイパーテキスト(いわゆるリンク)が読み手の理解に与える影響が不明
- 中等教育レベルでない、より専門的な文章での方略の検討(複数テキストの理解、批判的な読み、等)
藤井ゆき・犬塚美輪 (2008). 説明文読解方略指導に関する教員の意識調査―年齢・経験による差異に着目した検討― 教心50, 286.
犬塚美輪 (2008). 中学・高校期における説明文読解方略の発達と指導 博士論文, 東京大学(未公刊)
野崎浩成・吉橋彩奈・梅田恭子・江島徹郎 (2005). テキストへの自由な書き込み行為が文章理解に及ぼす影響 日本教育工学会論文誌, 29, 49-52.
Miall, D.S. & Dobson, T. (2001). Reading Hypertext and the Experience of Literature. Journal of Digital Information, 2.
所感
前回、今回と2回にわたり「読んで理解する」ということについて、読解方略(およびその指導)という観点から眺めてみました。
そこでは「読んで理解する」ことを明らかにするために、読書の認知プロセスのモデル化と、その効果的な適用手法の研究が行われていました。
特に、後者(モデルの効果的な適用手法は、読書効果と呼んでもいいのかも)が着目されつつあること、7つの読解方略指導など、長期間にわたって効果検証が必要な研究エリアがあること等、目からウロコな感じでした。
読解のように、人間の内面が関わる部分を工学的に捉えるのはかなり難しい面があると思います。ただ、今回の論文で学んだとおり、定量的・合理的・汎用的な読解手法をモデルに落とし込み、それを対象者に適用させる運用プロセスも検討することで、様々な人にチューニングできる「読解の仕組み」を提供することができるのかもしれません。まぁ、先見知識とか、前提条件パラメータが複雑すぎて、そんなに簡単じゃないだろうけど。。
『戦略読書』定点観測 - 2016年12月
はじめに
戦略読書・12月の定点観測です。
図1は、読書ポートフォリオ・マトリクス(PRM)を整理したものです。
定点観測(2016/12)
上記RPMに基づいて実施した12月の定点観測結果です。
ビジネス基礎
なし
ビジネス応用
なし
非ビジネス基礎
正直な本だと思った。成長していく男の子の正直な心情がたくさん。そして、その心情の変化は、やがて、生と死という壮大なテーマにつながっていく。小さな粒、わたしたちを作っているその粒は、日々変わっていく。福岡伸一著『動的平衡』を思い出した。
転んでも、大丈夫: ぼくが義足を作る理由 (ポプラ社ノンフィクション)
- 作者: 臼井二美男
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2016/08/05
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足を失った人たちに寄り添い、声を聞く。家にこもらず、社会で活躍できるように、せめて、接点を持って生きていけるような、そんな接合部の役割。その答えが、スポーツを通じた義足なのかもしれない。
以下、気になったフレーズ。p163
ぼくが思うに、成長して強くなる選手というのは、ものごとを自分で考えることができる選手です。p164
本当のたくましさは、自分で考え、行動するなかで、みがかれるのではないでしょうか。p185-186
どんな義足作りを目指しているか? ぼくの好きな「義足に血が通うまで」という言葉を引用して、「はいていることを忘れるくらい、ぴったりとフィットした、本物の足と似たような感覚で歩ける、そんな義足づくりが理想です」と答えています。
生活保護を受ける人々と、その自立をサポートする福祉事務所で働く主人公の、葛藤物語。本のタイトルにもある「生活とは」「生きるとは」。一巻だけでは得られない答え。重い。重いけど、気になる。そんな世界観が広がる、一冊。
ダンジョン飯 1巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))
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なんだろ、最初はつまらないと思ったのに、徐々に惹き付けられていく不思議な魅力に溢れたマンガ。登場人物たちがみんなどこかしらにクセがあって人間味があるからかもしらん。
安定の面白さ。1、2巻を読んでから相当間を空けたので、思い出せるか不安だったが、まったく心配なかった。
非ビジネス新規
なし
分析
以下は、12月のRPM分布と、累積(1~12月)のRPM分布です。
2016年は、以下のような実績でした。年間目標値(読書冊数100冊、読書時間400時間)に対して、冊数は168%、時間は84.375%の達成率でした。
実績
冊数 | 時間 | |
---|---|---|
12月 | 5冊 | 9.5時間 |
1~12月 | 168冊 | 337.5時間 |
2016年の総括と、2017年の戦略読書の方針については、別の記事でまとめたいと思いますが、初年度にしてはまぁまぁの出だしだったかなと思います。ただ、途中から読書ポートフォリオ・マトリクスの分類が、自分に合わなくなってきた(正確には自分の分類基準が不明瞭であったため、どのエリアに割り振るのか考えるのがしんどかった)と感じました。今年は、このマトリクスを精査し、より簡便に、かつ効果的に読書をできるよう、バージョンアップしてみたいと思っています。
参考
- 『戦略読書』実践記(1)
- 『戦略読書』実践記(2)リーディング・フローの基礎的検討(前編)
- 『戦略読書』実践記(2)リーディング・フローの基礎的検討(後編)
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年1月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年2月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年3月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年4月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年5月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年6月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年7月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年8月
- 戦略的に読書をするためにやったこと
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年9月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年10月
- 『戦略読書』定点観測 - 2016年11月
読書的ニュース2016-12
2016年12月の読書的ニュースです。
〇おススメ本あれこれ
年末年始とか、節目になると「2016年のおすすめ本」みたいな記事がいろいろ出ますね。ということで、いろいろおすすめされたのでご紹介。みなさん、楽しい読書生活を過ごされたのでしょうか。
- 2016年 今年の一冊(1/3) - HONZ
- 大の読書家・岡田准一推薦「V6メンバーに贈りたい本」 - itLIFE by FRaU(イットライフ バイ フラウ)
- 2016年 私の10冊
- 美しい絵本おすすめ5選!創造力がふくらむ作品 | ホンシェルジュ | 斎藤真奈美
- OKMusic - ソーシャルミュージックサイト - オーケーミュージック
- ビル・ゲイツが選ぶ「2016年に読んだ記憶に残る5冊の本」 - GIGAZINE
- 2016年に読んで面白かった本&よく読まれた記事 - 歴ログ -世界史専門ブログ-
- 年末年始にぜひ読みたい 16年発刊、話題の経済新書|エンタメ!|NIKKEI STYLE
- 中学生におすすめの名作歴史小説5選! | ホンシェルジュ | 小林千恵
- ホラー小説名作ランキングベスト5!中学生でも楽しめる! | ホンシェルジュ | 岡田冬
- ノンフィクション本のおすすめを紹介する。面白いためになる名作・傑作の書籍 - 漫画ギーク記
- 数学が苦手という人に捧ぐ!物語から入門できるおすすめ5冊! | ホンシェルジュ | むらさわりこ
かなりたくさんおすすめされましたが、気になった未読の5冊を、読みたい順に記しておきたいと思います。今年中には読むぞ!
〇11月10日放送のアメトーク『読書芸人』 第3弾で取り上げられた本をまとめてみた【本好き芸人】 - 積読書店員のつくりかた
第3弾、見逃した! カズレーザーさんの読書観が面白いらしい。後で調べよう。
〇読書の秋にオシャレで面白い「FACE BOOK COVER」はいかが? | Qetic
意外と高いんだけど(2970円)、家族等がプリントされてて、しかもプレゼントでもらったらうれしいかも。
〇手元にある一冊が、新しい世界への扉となってくれます。読書は好き? - エキサイトニュース
「目の衰えが、本を遠ざける」
うーむ。。来るべき衰えに備えたいが。。。やはりリフローで大きめの文字を読むのがいいのかな。
〇日本ハム、書籍1716冊を「北海道ブックシェアリング」に寄贈― スポニチ Sponichi Annex 野球
段ボール40箱分、1716冊。多いのか少ないのか。寄付文化って難しいよなぁ。
寄付って観点では、大手の新古書店で二束三文で買い取られるのもいいのだけれど、読みたい人がいる場所に寄付するほうが、気持ちいいよね。
〇ASCII.jp:読書は「書籍」から「電子書籍」に移行か…9月ネット購買世帯支出
「書籍」の減少傾向が続き、「電子書籍」の増加傾向が続いていることから、家庭での読書が書籍から電子書籍に移行している傾向が見て取れた。
へぇ。
「デジタルコンテンツ」のうち「電子書籍」は同73.3%増
「書籍」(同5.6%減)
どのジャンルなのか気になるが、電子に移行することに抵抗がなくなってきていると見ることもできる、のかな。
〇英大学が発表、世界に「寛容さ」を与えた10冊の本 | ホンシェルジュ | 英インディペンデント紙(オンライン新聞)
国際寛容デーの一環で。寛容になれる10冊。とりあえず、以下の2冊は読んでおきたい。
わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女
- 作者: マララ・ユスフザイ,クリスティーナ・ラム,金原瑞人,西田佳子
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
- 発売日: 2013/12/03
- メディア: ハードカバー
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